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家づくりについて夏場のエアコンで電気代を抑える4つのコツ。住宅設計が冷暖房の効きを左右する!
近年、世界的な気温の上昇が見られており、日本においても夏場の記録的な猛暑がニュースのトピックに挙がるようになりました。
暑い日でも住まいの快適な居住環境を維持するとともに、熱中症のリスクを防ぐにはエアコンによって適切な温度管理を行うことが大切です。
一方で、世界情勢を背景としたエネルギー価格の高騰は私たちの家庭にも影響を受けており、「 夏場のエアコンにかかる電気代が心配…」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、夏場のエアコンにかかる電気代を抑える運転方法や住宅設計で冷暖房の効きをよくするコツについてお話しします。
夏場のエアコンにかかる電気使用量はどれくらい?
夏場はエアコンを1日中つけっぱなしにしているというご家庭もあるかと思います。家族が別の部屋で過ごす場合には、使用するエアコンの台数も増えるため、電気代が増えやすくなります。
消費電力がもっとも高いのはエアコン!
住まいにある家電のなかでもっとも消費電力が高いのはエアコンです。
経済産業省がまとめた資料『夏季の省エネ・節電メニュー』によると、一般家庭における夏場の19時頃の電気使用割合は、エアコンが全体の4割近くを占めています。
エアコンによる消費電力が増えることは電気代の増加にも直結するため、使い方を見直してうまく節電することがポイントです。
夏場の電気代はどれくらいかかる?
総務省の家計調査によると、夏場(7~9月)における世帯人数別の電気代は以下のようになっています。
世帯人数 | 7月 | 8月 | 9月 |
---|---|---|---|
平均 | 8,627円 | 10,022円 | 11,006円 |
2人 | 7,788円 | 8,974円 | 10,030円 |
3人 | 9,091円 | 10,472円 | 11,290円 |
4人 | 9,267円 | 10,859円 | 11,940円 |
5人 | 9,639円 | 11,591円 | 12,142円 |
6人以上 | 13,730円 | 17,764円 |
20,927円 |
全体的に9月の電気代がもっとも高く、世帯人数に比例して電気代も高くなることが分かります。各部屋にエアコンを設置して複数台で運転する場合には、1ヶ月当たりの電気代の負担が増えることが懸念されます。
省エネを意識したエアコンの使い方
夏場の電気代を抑えるには、省エネにつながるエアコンの使い方を意識することが大切です。温度設定や風量などを調整することで、消費電力を抑えられるようになります。
【温度設定】夏の室温は28℃を目安にする
エアコンの冷房は、室温が28℃になるように設定することがポイントです。
設定温度を低くしすぎると外気との温度差が大きくなり、空調の運転に負荷がかかりやすくなります。28℃に設定することで、年間で電気30.24kWhほどの省エネにつながり、約820円の電気代を節約できます(※)。
28℃の設定で快適に過ごすには、衣服の調整をしたり、扇風機やサーキュレーターを併用したりすることも有効です。ただし、我慢のし過ぎには要注意です。室内でも熱中症になる可能性があるため、特に幼児や高齢者のいるご家庭では温度管理に気をつける必要があります。
※外気温度が31℃のときにエアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃にした場合の差(1日当たり9時間の使用)
出典:経済産業省:資源エネルギー庁『省エネ性能カタログ2022年版』
【風向・風量】設定温度を下げる前に一工夫
エアコンの省エネ対策として、風量や風向の調整が挙げられます。
冷たい空気は下方に集まる特性があるため、冷房を使用するときは風向を水平にすると部屋が冷えやすくなります。また、冷やした空気を部屋全体に届けるために、扇風機やサーキュレーターを使って冷気を循環させると体感温度が下がり涼しく感じられます。
風量については「弱風」に設定して抑えるよりも、「自動運転」にしたほうが室内の温度に応じて風量が調整されるため、節電につながりやすいとされています。
このように部屋が暑いと感じたときは、すぐに設定温度を下げるのではなく、風向や風量を調整してみましょう。
【ON/OFFの切り替え】外気温に合わせて臨機応変に
夏場にエアコンを使用するとき、「外出時にこまめに電源を切ったほうがいいのか」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
エアコンの馬力や部屋の広さなどによって異なりますが、一般的に外気温が30度以下なら、こまめに電源を切るほうが省エネにつながるとされています。反対に、35度以上が続く場合には、エアコンはつけっぱなしにしておいたほうがよいといえます。
冷房は、外気温が高いときに低い温度設定で部屋を冷やすと電力消費が増えやすくなります。一方、エアコンの設定温度を維持しているときには、少ない電力で運転することが可能です。そのため、あまり外気温が高くないときはこまめにオンオフの入れ替えをしても電気代が上がりにくくなります。
【お手入れ】フィルターは月に1~2回掃除する
定期的にエアコンのお手入れをすることも省エネ効果が期待できます。
フィルターがホコリで根詰まりしていると、エアコンの効きが悪くなります。冷房効率を高めるには、月に1〜2回ほどフィルターを掃除することがポイントです。
例えば、エアコンのフィルターを月1~2回掃除すると、年間で31.95kWhほどの省エネになり、約860円の電気代を節約できます(※)。フィルターは簡単に取り外しができるため、掃除機でホコリを吸ってから、洗って干しましょう。
※フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW)とフィルターを掃除した場合の比較
出典:経済産業省:資源エネルギー庁『省エネ性能カタログ2022年版』
【設置の仕方】室外機まわりにはモノを置かない
室外機は室内で取り込んだ熱を外へ吹き出しています。そのため、吹き出し口やその付近にモノを置いたり、室外機をカバーで覆ってしまうと放出した熱を再び吸い込んでしまい、冷房効率が低下してしまいます。
吹き出し口付近はふさがずに、さらに直射日光が当たらないように設置することがポイントです。
日影に設置できると一番よいのですが、太陽の角度や位置は常に変わるため、天板に日よけをのせたり、植栽やすだれなどで直射日光があたる時間をなるべく減らすことも有効です。
冷暖房の効きを良くするための住宅設計のコツ
エアコンの電気代を抑えるには、住宅設計の工夫が必要です。ここからは、冷暖房の効きを良くするための住宅設計のコツをご紹介します。
1.気密・断熱性能を高める
冷暖房の効率を高めるには、高気密・高断熱な住宅にすることがコツです。
気密・断熱性能を高めることで、外からの熱が室内に伝わるのを防ぐとともに、エアコンで冷えた室内の空気が外へ逃げにくくなります。
また、室内の温度を維持するとエアコンが少ない電力で運転できるようになるため、電気代の削減につながると期待できます。
2.窓まわりの断熱・遮熱も忘れずに
エアコンの効きが悪くなる要因の一つとして、直射日光による室内温度の影響が挙げられます。
断熱材で住宅の断熱性能を高めることはもちろん大切ですが、住宅への熱の出入りの約半分は開口部である窓やドアからとなっているため、外気や日射による室温の上昇を防ぐためには、窓選びも重要です。
窓の断熱や日射熱を抑制するガラスを取り入れることで夏の強い日差しによる熱が室内に伝わりにくくなり、室温の上昇を抑えられるようになります。
また遮光カーテンを使用したり、方角による窓の取り方などによっても大きく変わるため、これらを取り入れることで涼しく快適な室内環境を維持しやすくなります。
3.庇(ひさし)やシェードを取り入れる
庇とは、窓や玄関扉の壁面上部に取り付ける突き出した屋根のことです。また、シェードは窓の外側につけて生地を上下させることで日差しをカットします。
直射日光が窓や扉から入り込むのを防ぐことで、室温の上昇を防いで冷暖房の効きをよくすることができます。また、夏と冬では日差しの角度が変わるため、庇やシェードを利用することで夏は日を遮り、冬には日を取り入れることが可能です。
4.間取りに応じてエアコンの設置場所を工夫する
エアコンの稼働効率を高めるには、間取りに応じてエアコンの設置場所を工夫することもポイントです。
家庭用のエアコンは、吹き出し口が1方向のタイプのものが一般的です。部屋全体に冷房の風を届けるには、風を送る方向を踏まえて設置場所を決める必要があります。
また、リビングと廊下に仕切りがない間取りは、冷房の風が廊下に逃げてしまったり、外気がリビングに入ってきたりしやすくなります。仕切りをつけるかどうか、出入りの頻度やデザインなどを踏まえて検討することが重要です。
省エネ効果を高める住宅設計のアイデアは、マルマインハウスにお任せください
夏場の猛暑が厳しい日本では、エアコンによって電気代の負担が増えやすくなります。
電気代をできるだけ抑えるには、温度調整や風向・風量の設定などによって省エネを意識した運転にすることがポイントです。
また、これからマイホームを建てる方は、気密・断熱性能を高めたり、窓の遮熱性能を高めたりして、冷暖房の稼働効率を高める住宅設計も重視したいところです。
快適な暮らしや省エネを意識した住宅については、マルマインハウスにお任せください。家族構成やライフスタイルに合わせて、四季を心地よく過ごすプランやアイデアをご提案いたします。
2024.07.11
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