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家づくりについて注文住宅にバルコニーを設置しない選択肢。どんな人に適しているの?

バルコニーとは、建物の外に張り出すように設けられた屋根のない屋外スペースを指します。屋根のあるタイプは「ベランダ」とも呼ばれます。

注文住宅では、バルコニーを設けて洗濯物を干したり、テーブルセットを置いて家族のくつろぎスペースとして活用したりすることが一般的とされていました。ところが近年では、注文住宅にバルコニーを設置しないケースも増えています。

これから注文住宅を建てる方のなかには「バルコニーを設置しないケースにはどんなものがあるの?」「どんなメリットがあるの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

今回は、注文住宅でバルコニーを設置しないケースやメリット、設計時に考慮しておく注意点について解説します。

バルコニーを設置しないケースとは

住まいの立地や家族のライフスタイルによっては、バルコニーを設置しない選択肢も考えられます。
代表的なケースには、次の3つが挙げられます。

1.ドラム式洗濯乾燥機やランドリールームがある場合

ドラム式洗濯機乾燥機やランドリールームを導入する予定で「洗濯物を外干ししない」という場合には、バルコニーが不要になるケースがあります。

近年では、花粉や黄砂などの影響で「外干しをできるだけ避けたい」と考えるご家庭も少なくありません。
そのような理由から、ドラム式洗濯乾燥機を活用したり、住宅内にランドリールームを設置したりするケースが見られます。

ドラム式洗濯乾燥機とランドリールームの利点

ドラム式洗濯乾燥機 ランドリールーム
  • 洗濯物を干す手間がかからない
  • 梅雨や花粉などの時期を気にせず洗濯ができる
  • 雨天でも洗濯物を干せる
  • 家事室として活用できる

ドラム式洗濯乾燥機を導入すると、洗濯物を「洗う」「乾燥させる」といった作業を同時に完結できるため、家事がラクになります。

また、ランドリールームを設けると、雨天でも洗濯物を干せることから、梅雨のシーズンでも洗濯のストレスがなくなります。作業台や収納棚を設ければ、洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりするスペースとしても活用することが可能です。

なお、ランドリールームを兼ねた家事室については、こちらの記事で紹介しています。併せてご確認ください。

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2.住宅密集地でプライバシーが気になる場合

住宅が密集しているエリアで隣家との距離が近い場合には、洗濯物を外に干すことに抵抗を感じる方も少なくありません。

家族のプライバシーを守るために、バルコニーを設置しないことを選択するケースがあります。
また、洗濯物の量や種類から、家族構成や家庭の事情を推測されることもあるため、防犯面においてもバルコニーを設置しない場合があります。

3.庭がある場合

住宅の敷地内に庭を設ける場合には、庭で洗濯物や布団を干すスペースを確保できることから、2階部分のバルコニーを設置しないという選択肢が考えられます。

ただし、洗濯物を「干す」「取り入れる」といった作業の際には、室内と庭を行き来する必要があるため、洗濯機置き場から庭への動線を考慮して設計することが重要です。

また、通行人や隣家から庭の様子が見えないように、庭の位置を考慮するとともに、必要に応じて目隠しとなるフェンスの設置を検討する必要があります。

バルコニーを設置しないメリット

注文住宅にバルコニーを設置しない場合には、メンテナンスや外観などの面でメリットがあります。

掃除・メンテナンスの手間が省ける

外につながるバルコニー部分は、砂ぼこりや鳥のフン、雨水などによって汚れが溜まりやすくなります。排水溝に汚れが溜まった状態で雨水が流れると、浸水につながるケースも考えられます。

バルコニーを設置しないことで、定期的に床や排水溝の掃除を行う必要がなくなり、家事の負担を減らせます。また、数年おきに防水加工のメンテナンスを行う必要がなくなるため、維持管理にかかる費用の負担も抑えられます。

家事動線がスムーズになる

1階に洗濯機を設置することが多いと思うのですが、その場合バルコニーで洗濯物を外干しするとなると、「1階の洗濯機置き場から取り出して2階まで運ぶ」といった移動に労力がかかってしまいます。

住宅内にランドリールームを設けたり、庭と出入りしやすい場所に洗濯物を干すスペースを確保したりすると、階段の昇り降りが不要になり家事動線がスムーズになります。

外観に変化をつけられる

住宅にバルコニーを設置しない場合、建物の外壁に張り出した部分の凹凸がなくなり、スッキリとスタイリッシュな外観に見せられるということがあります。

建築コストを抑えられる

住宅にバルコニーを設置する際には、外壁工事や防水工事などが必要となるのですが、1階よりも大きくはり出したバルコニーの場合は、さらに土台の建築なども必要となるため、そういったバルコニーを設置しない設計にすることで、住宅づくりにかかる全体の費用を抑えたり、そのほかの内装や設備に予算を充てたりすることも可能です。

防犯対策にもなる

プライバシーを守るためにバルコニーは外から中が見えにくくなっていることも多く、空き巣が隠れて作業しやすい場所にもなります。そんなバルコニーから住宅内に侵入する経路をなくせるため、防犯上の対策にもつながります。

注文住宅にバルコニーを設けない場合の注意点

バルコニーを設置しない住宅には、次のような注意点があります。

  • 2階の室外機を1階にまとめる必要がある
  • 洗濯物や布団を干す場所を確保する必要がある
  • ドラム式洗濯乾燥機を設置する場合、縦型よりも広めのスペースが必要になる
  • 雨風によって窓の外側が汚れやすい

2階の部屋に設置するエアコンの室外機を1階にまとめて設置する場合は、バルコニーに置く場合と比較して配管が長くなるなど工事費用が高くなることが一般的です。

洗濯物や布団に関しては、室内または庭に洗濯物を干す場所を設けたり、ドラム式洗濯乾燥機を設置するために広めのスペースを確保したりする必要があるため、敷地面積がコンパクトな場合には住居スペースを広くとれなくなる可能性も考えられます。

また布団を天日干ししたい場合、寝室が2階であれば大きな布団を1階までおろし、干した後はまた2階まで運ぶことになります。階段の広さにもよりますが、かなりの重労働となるため、歳を重ねてからは布団乾燥機を使うなど別の方法も視野に入れる必要があるでしょう。

さらに、バルコニーによる出っ張り部分がなくなると、雨水や砂ぼこりが直接窓に当たるようになり、汚れの掃除が大変になることも。後悔しないためには、注意点を踏まえたうえで自分たちが生活しやすい環境を考えることが重要です。

家族にとってベストな選択肢を考えよう

これまで当たり前とされていたバルコニーは、住宅設備のトレンドやライフスタイルの変化などによってあり方が見直されています。

「バルコニーで洗濯物を干さなくてもよい」「プライバシーが気になる」「掃除の手間をかけたくない」といった場合には、バルコニーを設置しない選択肢もあると考えられます。

とはいえ、バルコニーは「内」と「外」をつなぐ空間となるため、イスを置いて読書をしたり、夜は晩酌をするなど使い方によっては、日常に愉しさや彩りをもたらしてくれます。

敷地面積の広さや周辺環境、家族のライフスタイルなどを踏まえたうえで、生活がしやすく家事にも便利なご家族に合った間取りを考えることが大切です。

マルマインハウスでは、ご家族のライフスタイルや理想の暮らしをしっかりとヒアリングすることを大切にしています。家族みんなが心地よく暮らせる空間づくり、毎日の家事をラクに楽しくするための工夫など、家族の理想を叶える住まいをご提案いたします。

2024.05.23

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