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家づくりについてHEMSって何?持続可能な暮らしを実現するスマートハウスのメリット

SDGsやカーボンニュートラルといった環境や資源を守るための取り組みが進められるなか、家庭においても省エネの重要性が高まっています。

そこで近年注目されているのが、『HEMS(ヘムス)』と呼ばれるシステムです。

マイホームを検討している方のなかには、「HEMSという言葉を耳にするけれど、詳しい内容が分からない」「導入するとどんなメリットがあるの?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、HEMSの基礎知識や導入のメリット、新築住宅に導入する方法、活用できる補助金制度などを分かりやすく解説します。

HEMS(ヘムス)とは

HEMSとは、“Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)”の略称で、家庭内のエネルギー使用量を見える化して最適に制御するシステムです。

住宅にHEMSを導入することで、家庭内のエネルギー消費の状況を確認できるほか、さまざまな家電や住宅設備と連携して稼働を自動で制御することが可能です。これにより、エアコンや照明、家電製品などの運用が最適化され、省エネ化につながります。

HEMS(ヘムス)はなぜ注目されているのか

HEMSが注目される背景には、主に以下があります。

▼HEMSが注目される背景

  • 政府による家庭部門における省エネ化の推進
  • 近年における電気料金の高騰

日本政府は、2050年カーボンニュートラルの達成を実現するためにZEH(※)の普及に向けた政府目標を掲げています。この政府目標では、「2030年以降の新築住宅でZEH基準の省エネ性能を確保する」「2030年に新築戸建住宅の6割に太陽光発電住宅設備を設置する」ことが設定されており、その取り組みの一つとしてHEMSの導入が推進されています。

また、世界的なエネルギー価格の高騰は、家庭の光熱費負担の増加を招いています。HEMSによるエネルギー管理は、省エネ化による家計の負担を抑える有効な手段となります。

※ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、高断熱・省エネ・創エネを組み合わせて家庭で消費するエネルギー量の収支をプラスマイナスゼロにする住宅のこと

出典:経済産業省資源エネルギー庁『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について – 省エネ住宅』/環境省『HEMSについて

HEMSの仕組み

HEMSのシステムは、主に3つの機能で構成されています。

▼HEMSの機能

機能 できること
1.エネルギーの一元管理 住宅設備や家電をネットワークでつないで、稼働状況やエネルギー消費量を一元的に管理・可視化する
2.自動制御 住宅設備や家電の出力をコントロールしてエネルギー使用を自動で制御することで、ムダな電力消費をなくす
3.最適化 電気会社の料金プランや電力需要に合わせて電力のピークカットを行い、電気料金を削減する

HEMSと連携して制御できる住宅設備には、エアコンや照明、太陽光発電設備、蓄電池、電気給湯機、電気自動車などが挙げられます。

HEMSを導入した住まいのメリット

新築住宅にHEMSを導入すると、次のような効果が期待できます。

メリット①“見える化”によって節電意識を高められる

HEMSを導入すると、家庭内でのエネルギーの使用状況をパソコンやスマートフォン、タブレットなどを使って数値やグラフで把握できるようになります。

住宅設備の種類や時間帯、季節などで電力消費の傾向を把握してムダを明らかにすることで「どのような使い方に見直すべきか」が分かり、家族の節電意識を高められます。

メリット②毎月の電気代を削減できる

家庭内にある住宅設備の稼働を自動制御できるようになると、ムダをなくしてエネルギーを効率的に使用することが可能です。

たとえば、電気の使用が集中する時間を避けたり、料金が安い夜間に切り替えたりすることで、毎月の電気代を効率的に削減でき、無理なく節約につなげられます。

メリット③利便性・快適性が向上する

HEMSを導入して家庭にある住宅設備や家電をネットワークで結ぶことにより、スマートフォンから遠隔操作を行えるようになります。

ネットワークに接続されたエアコンや照明などを遠隔操作できると「帰宅時間に合わせて冷暖房を入れる」「外出先から消し忘れた照明をオフにする」といった対応が可能になります。また、生活リズムに合わせた自動設定(起床時・就寝時など)により、快適な室温や照明環境を維持できるなど、快適で便利な生活を実現できます。

メリット④太陽光発電や蓄電池との連携でより効果的に、災害時も安心

太陽光発電設備や蓄電池と連携することで、エネルギーを一元管理できるほか、事前の設定によって自律運転が可能になります。

太陽光発電で創出した電力を使ってピーク時の電力消費量を抑えたり、停電が起きた際に蓄電池から電力を自動で供給したりできます。これにより、太陽光発電の運用管理による負担軽減や災害時の備えの強化につながり、いざというときにも安心して暮らせます。

注文住宅にHEMSを導入するために必要な機器

新築を建てる際にHEMSのシステムを導入するには、さまざま住宅設備や家電をインターネットにつなげて一元管理できる環境を整備する必要があります。

▼HEMSのイメージ

画像引用元:経済産業省 資源エネルギー庁『省エネって何?』

HEMSの導入に必要な機器には、以下が挙げられます。

➀HEMSコントローラー

HEMSコントローラー(ホームコントローラー)は、HEMSシステムの中核となる機器です。エアコンや照明、太陽光発電設備などのエネルギー状況をリアルタイムで収集して、電気使用量の見える化や設備の自動制御を行う役割があります。

HEMSコントローラーと住宅設備・家電をネットワークで結ぶために、『ECHONET Lite(エコーネットライト)』という国際標準の通信規格が使用されています。

②HEMS対応の住宅分電盤 

普段当たり前のように使用している電気は電柱から配電盤へ、配電盤から分電盤へと流れ、分電盤から照明やエアコンなど各家電へ送られているため、必ず設置されています。

ただ、HEMSを設置する場合は専用の分電盤が必要となるため、後からHEMSを導入したいと思った場合は付け替える必要があります。

③HEMS対応の住宅設備・家電

住宅設備や家電を自動制御するには、HEMSコントローラーと無線接続できる『ECHONET Lite(エコーネットライト)』の通信規格を採用したHEMS対応機器が必要です。

国内の主要な家電メーカーでは、エアコンや太陽光発電設備、蓄電池などについてHEMS対応の製品が販売されています。一般的なWi-Fi接続ができるスマート家電とは規格が異なるため、家を建てる前に確認・選定しておくことが必要です。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁『省エネって何?』

HEMSの導入時に活用できる補助金制度

2025年10月現在、HEMS単体の補助金制度はありません。しかし、住宅の省エネ化を推進するための補助事業にHEMSに関する要件が含まれているものがあります。

▼子育てグリーン住宅支援事業

『GX志向型住宅』の補助要件に、HEMSの導入が必須とされています。GX志向型住宅の要件を満たす新築住宅は、160万円の補助を受けられます。

※こちらの補助金は予算枠の上限に達したため受付は終了しています。

▼ZEH補助金

ZEH支援事業では、ZEH住宅に必要な設備費用を補助する制度があります。『ZEH+』の補助用件として高度エネルギーマネジメントを行うHEMSまたは再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置が必須要件とされています。『ZEH+』の基準を満たす住宅の補助額は、90万円となっています。

ほかにも自治体によってHEMSの補助金制度を運用している場合もあります。事前に活用できる補助金制度や要件を確認しておきましょう。

出典:子育てグリーン住宅支援事業『対象要件の詳細【注文住宅の新築】』/一般社団法人 環境共創イニシアチブ『2025年の経済産業省と環境省のZEH補助金について

快適な住まいと持続可能な社会をつくるHEMS

これから注文住宅を建てるにあたって、家族の快適な暮らしと経済的な負担低減を目指すには、使うエネルギーを減らす「省エネ」と自らエネルギーを生み出す「創エネ」が重要なキーワードになります。

HEMSを導入すると、住まいのエネルギーの使用状況を見える化するとともに、住宅設備や家電を自動で制御して効果的に省エネ・創エネを推進します。家庭内のエネルギー自給率を高めることは、脱炭素社会への貢献にもつながります。

マルマインハウスでは、断熱・省エネ・創エネの3つから成るZEHの基準値を大きく上回る性能を標準仕様でクリアしています。快適性はもちろんのこと、家計や環境にもやさしい住まいを実現します。

ZEH住宅の性能やHEMSの導入予算、補助金の活用などについては、マルマインハウスまでお気軽にお問い合わせください。

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