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家づくりについて注文住宅の省エネ性能はどう選べばいい?2025年からの義務化や等級の新設について

省エネ対策の強化や木材利用の促進を目指す『建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)』の改正法が、2022年6月に公布されました。これにより、2025年からはすべての建築物において、省エネ基準への適合が義務化されます。

また、住宅の省エネ性能評価制度には、「断熱等級」や「1次エネルギー消費量等級」がありますが、新たな等級が新設され、すでに今年から段階的に施行されています。

これから注文住宅を建てる方は、断熱性能をどのように選ぶとよいのか、2025年から変わる省エネ義務化を踏まえて考えてみましょう。

 

省エネ基準の義務化が求められる背景とは

法改正によって省エネ基準の義務化が図られた背景には、日本における地球温暖化への対策やグリーン化戦略があります。

地球温暖化への対策が世界共通の課題となっているなか、日本においても脱炭素社会の実現や再生可能エネルギーの主力電力化に向けた対策が求められています。

これを受けて、政府は「2030年度の温室効果ガス46%削減」と「2050年カーボンニュートラルの実現」を目標に掲げました。

2030年以降には、新築されるすべての住宅・建築物にZEH・ZEB水準の省エネ性能を確保するとともに、2050年には住宅・建築物のストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能を確保することを目指しています。

このような目標に向けた具体的な取組みとして、住宅・建築物の省エネ性能のさらなる強化と加速に向けて、2025年の省エネ基準適合義務化が決定されました。

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省エネ基準の義務化に向けた等級の見直し

省エネ性能を評価する基準として、2000年に『品確法』や『住宅性能表示制度』が導入されました。そのうちの省エネ性能の評価基準には、「断熱等性能等級」と「一次エネルギー消費量等級」の2つが設けられています。

現行の建築物省エネ法で定められた省エネ基準は、断熱等性能等級が「等級4」、一次エネルギー消費量等級が「等級4」で、断熱等性能等級においては住宅性能表示制度における最高等級もこの基準相当となっていました。

しかし、省エネ性能の強化を図るなかで、最高等級を上回る評価ができないことを踏まえて、新たな上位等級が設けられることとなりました。この新たな等級は、2022年4月から段階的に施行されています。

ここからは、新たに追加された省エネ性能の評価等級についてお話します。

 

断熱等性能等級

断熱等性能等級とはUA値で表示されています。数値が低いほど断熱等級も高く、夏は涼しく冬は暖かい暮らしやすい高性能な家となります。

省エネ基準は「等級4」とされているため、省エネ基準の適合が義務化されたあとは、この等級4を満たす住宅の建築が必須となります。

また、2022年4月からは「等級5」、同年10月には「等級6」「等級7」が新設され、省エネ性能を評価する最高等級が引き上げられました。

 

【断熱等性能等級の新設(2022年4月・2022年10月~)】

2025年の義務化以降は最低でも等級4の基準を満たさなければ、建築できなくなりますが、この基準もまだまだ通過点です。将来的に国はより環境に配慮した住宅、UA値0.6(一部地域を除いた奈良や大阪、京都の場合の値)のZEH基準を目指し広めるため、ZEH以上の住宅には現在は補助金が交付されています。

 

一次エネルギー消費量等級

一次エネルギー消費量等級とは、住宅内の冷暖房や給湯、照明などの利用にかかる電気・ガスといった一次エネルギーの消費量を削減する程度を示す等級です。基準値よりもエネルギーを消費する量が少なくなるほど等級が高くなり、性能の高い家となります。
こちらの数値は断熱性能が高ければ、消費するエネルギーも少なくなるためUA値も関係します。

現行の省エネ基準を満たす等級は「等級4」となっており、その上に最高等級として「等級5」が設けられていましたが、2022年4月からは「等級6」が新たに追加されています。

 

【一次エネルギー消費量等級の新設(2022年4月~)】

 

一次エネルギー消費量等級は「BEI」で示されますが、新設された等級6の基準ではBEI=0.8以下となり、現行の省エネ基準となる等級4よりも20%以上の削減が求められます。またこちらはZEH基準が最高等級となっています。

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注文住宅の省エネ性能、どう選ぶ?

断熱性能や一次エネルギー消費量の評価等級が新設されるなかで、これから注文住宅を建てるという方は、「どの程度の断熱性を備えたらよいのか」と悩む方も多いかもしれません。

2025年からは、新築するすべての住宅に省エネ基準の適合が義務となるため、今後を見据えると、少なくとも断熱等級4・一次エネルギー消費量等級4を満たす必要があります。

また、省エネ性能は、法令への対応だけでなく、住み始めてからの家族の生活にも影響します。断熱性能が高い住宅では、夏は涼しく冬は暖かい快適な住環境が実現。冷暖房設備に依存しすぎない生活ができるため、光熱費の負担を抑えられることもメリットの一つです。

さらにZEH以上の省エネ性能に優れた住宅を建てる際には、補助金や減税制度、金利優遇などさまざまな支援が受けられることもあります。

このように、快適でエコな生活を送るためにも、住宅の省エネ性能にもこだわってみてはいかがでしょうか。

 

断熱性能の高い注文住宅を建てられるマルマインハウス

注文住宅の断熱性能について考えるときは、家を建てたあとの暮らしやコストに目を向けることが大切です。また、2025年からの省エネ基準の適合義務化を見据えると、断熱等級や一次エネルギー消費量等級についても一定の基準を満たす必要があります。

本当に快適な住宅にはどこまでの断熱性能が必要か?!また快適性の他にも光熱費などの経済面、お住まいになるご家族の健康のことまで考えると、義務化のラインで本当に満足できるのかなど、後悔しないよう建てる前にしっかり考える必要があります。
とはいえ、目に見えない部分だからこそ、よく分からず、また住んでみなければ実感もわきません。だからこそ、多くのプロの意見を参考にご検討ください。

マルマインハウスは省エネで快適な住まいづくり、ZEHをはじめとする高性能な住宅づくりに取り組んできました。家の性能なんて難しすぎてよく分からない、ZEH以上の住宅って実際はどうなの?など、なんでもご相談ください。
予算やコストにも配慮してバランスをとりながら、お客さまに心から満足いただけるような家づくりを、私たちがサポートさせていただきます。

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2022.11.04

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