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お金に関して住宅ローンの「ボーナス払い」を実施するメリット。知っておきたい注意点とは
住宅ローンの商品を調べていると、「ボーナス払い」「ボーナス併用払い」という言葉を耳にすることがあるかと思います。
ボーナス払いを利用すると、毎月一定額をコツコツと返済する方法と異なり、年に2回のボーナスが支給される時期に増額して住宅ローンを返済することが可能です。
これから注文住宅を建てられる方のなかには「ボーナス払いの仕組みが分からない」「どちらの返済方法が自分に向いているの?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、住宅ローンの返済方法の一種となる「ボーナス払い」の仕組みや利用するメリット、契約前に知っておきたい注意点について解説します。
住宅ローンのボーナス払いとは
住宅ローンのボーナス払いとは、毎月の返済額に加えて年に2回、金額を上乗せして返済する方法のことです。住宅ローン契約において、「毎月返済」と「ボーナス払い」の2種類を並行して返済する仕組みとなります。
ボーナス払い分の返済については半年ごととなっており、一般的には6月と12月にボーナスが支給されるため、1月と7月を返済月に設定することが多くなっています。
▼ボーナス返済の仕組み
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
毎月返済 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ボーナス払い | 〇 | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | 〇 | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ |
〇→返済あり、✕→返済なし
金融機関によって異なりますが、ボーナス払いに割り当てられる金額の上限は、住宅ローン全体の借入額に対して40〜50%とされていることが一般的です。借入額が5,000万円の場合には、2,000万円~2,500万円ほどをボーナス払いに設定できます。
ボーナス払いをするとお得?気になるメリットとは
ボーナス払いを利用すると、月々の返済額を抑えられる、返済年数を短縮できるなどのメリットがあります。
メリット①毎月の返済額を抑えられる
ボーナス払いを利用するメリットは、毎月の返済額を抑えられることです。
毎月の返済と並行してボーナス払いを行うことで、年2回でまとまった金額を住宅ローン返済に充てられます。これにより、同じ借入額でも毎月の返済額を低く設定できるようになります。例えば、以下のような方に向いています。
▼毎月の返済額を抑えたい方
- 住宅ローン以外にもローンの返済を抱えている
- 子どもの養育費や学費で支出があり、月々の給与を多く手元に残しておきたい など
メリット②返済年数を短縮できる
ボーナス払いを利用して年間におけるトータルの返済額を増やすことで、毎月コツコツと返済する場合と比べて住宅ローンの返済年数を短縮することもできます。年収のうちボーナスの割合が比較的大きく、できるだけ早く住宅ローンを返済したい方に適しています。
▼返済年数を短くしたい方
- 完済年齢が定年退職後になるため、所得があるうちに早めに完済したい
- ボーナスの支給額が多く、返済に多くの割合を充てたい など
ボーナス払いを利用する際の注意点
ボーナス払いを利用する際には、事前に注意点をよく理解しておくことが重要です。
毎月返済よりも総返済額が増える
ボーナス払いでは、毎月返済分とボーナス部分についてそれぞれ元金の利息が発生します。毎月返済分に対しては、元金をコツコツと返済することで支払う利息も減っていきます。
一方、ボーナス払いのタイミングは半年に1回となるため、それ以外の月については元金が減らない期間が生じます。そのため、毎月返済分と比べると支払う利息が多くなり、住宅ローンの総返済額が増えることになります。
会社からのボーナス支給額が変わる可能性がある
ボーナスは、会社の業績や個人の評価などによって支給額が決定されるため、給与とは異なり安定していないことが懸念事項として挙げられます。
業績不振や転職によってボーナスが減額または廃止となった場合でも、基本的にボーナス部分の返済額は変えられないため、家計の負担が大きくなる可能性があります。
なお、金融機関によってはボーナス払いから毎月返済だけに変更したり、支払額の割合を少なくしたりできる場合もありますが、再審査や手数料の支払いが発生することがあるため、注意が必要です。
ライフイベントに対応しにくくなる
会社から支給されたボーナスを住宅ローンの返済に充てることで、手元に残るお金が少なくなり、ライフイベントに対応しにくくなる可能性があります。
将来的に家族が増えたり、子どもの養育費が必要になったりした際に、ボーナス払いが苦しくなることが考えられます。また、豊かな生活のためには旅行や余暇活動などに充てる資金も残しておきたいところです。
ボーナス払いを利用する際は、ボーナス支給の変動やライフイベントを考慮した返済割合を設定するとともに、いざという時に備えて貯蓄も合わせて行うことが大切です。
「繰り上げ返済」という選択肢もある
ボーナス支給額の変動やライフイベントに備えて、はじめからボーナス払いを選択するのではなく、「繰り上げ返済」を利用する方法もあります。
繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別に住宅ローンの元金を前倒しで返済する方法です。ボーナス払いと大きく異なるのは、「利息の扱い」「返済のタイミング」です。
住宅ローンでは、元本に金利をかけて毎月の利息を計算します。ボーナス払いについては通常の返済と分けて利息が計算される仕組みとなっており、年2回ある返済月では「元金の返済+利息の支払い」を同時に行うことになります。
一方の繰り上げ返済では、返済がすべて元金の返済に充当されます。通常の返済とは別に、自分が決めた金額・タイミングで柔軟に実行することが可能です。
▼ボーナス払いと繰り上げ返済の違い
ボーナス払い | 繰り上げ返済 | |
---|---|---|
利息の扱い | 通常の返済と並行して、元金の返済・利息の支払いを行う | 通常の返済とは別に、追加で元金の返済を行う |
返済タイミング | 年2回(半年に1回) | 自分で決められる(※1) |
金額 | 借入額に応じた割合を契約時に設定 | 1円~(※2) |
※1…月の回数制限を設けている金融機関があります。
※2…金融機関によって最低返済額が異なります。
まとまった貯蓄ができたときやボーナスが入ったときに繰り上げ返済を行うと、利息を軽減して総返済額を減らすことができます。また、家計に余裕があるときに柔軟に返済できるため、ライフイベントにも対応しやすくなります。
ただし、住宅ローン控除を受けている場合、控除の恩恵を最大限受けられなくなる場合もあるため、繰り上げ返済をするタイミングには注意が必要です。また金融機関によっては手数料がかかる場合もあるため、計画的に行う必要があります。
ライフイベントを見据えた返済計画を考えましょう
住宅ローンのボーナス払いには、毎月の返済額を抑える、または返済期間を短縮できるメリットがあります。ただし、ボーナスの支給額は不安定になりやすいほか、貯蓄や余暇活動の資金にボーナスを充てられなくなることも考えられます。
家族のライフイベントや急な出費にも対応できるように、年2回のボーナス払いではなく、まとまった貯蓄ができたタイミングで繰り上げ返済を行うことも一つの方法です。
マルマインハウスでは、ご家族の今と未来を考えたマネープランをご提案いたします「月々いくらまでなら無理なく返せる?」「準備するべき資金はどれぐらい?」といった疑問や質問など、お気軽にお寄せください。
まずはご自身でシミュレーションしてみたい方は、こちらもご活用ください。
2025.01.30