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お金に関して住宅ローンの店頭金利とは?適用金利との違いやチェックしておくポイント

住宅ローンについて調べていると、金融機関のWebサイトやパンフレットで「店頭金利から年▲1.5%」「適用金利は2.0%」などという表記を目にすることがあるかと思います。

家づくりの準備を始めているご家族のなかには「店頭金利と適用金利は何が違うのか」「どの利率をチェックすればよいのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

住宅ローンの金利は、総返済額や毎月の返済額に影響します。思わぬ失敗をしないように、店頭金利や適用金利の正しい意味を理解しておくことが大切です。

そこで今回は、店頭金利の意味や適用金利との違い、住宅ローンの金利を見るときのポイントについて解説します。

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住宅ローンの店頭金利とは

店頭金利は、金融機関ごとに設定されている基準となる金利のことです。「基準金利」や「店頭表示金利」とも呼ばれます。

住宅ローンを借りる際には、店頭金利を基準として各種割引や優遇が適用される仕組みとなっています。そのため、実際の金利は店頭金利よりも低くなります。店頭金利はあくまで「商品の定価」のような意味合いと捉えるとよいでしょう。

なお、店頭金利は金融機関が自由に設定できますが、基準となる指標が共通していることから大きな差は見られません。店頭金利が決まる仕組みについては、後述します。

適用金利との違い

適用金利は、実際に住宅ローンを借り入れる際に適用される金利です。店頭金利から割引・優遇が行われたあとの金利を指します。

▼店頭金利と適用金利の意味

住宅ローンの金利 概要
店頭金利(基準金利) 金融機関ごとに設定される金利の基準
適用金利 住宅ローンの借入時に実際に適用される金利

店頭金利を「商品の定価」と考えるなら、店頭金利は「商品の割引が適用された実際の購入価格」のようなイメージになります。

優遇金利との違い

店頭金利から適用金利まで引き下げられる利率の幅は、「優遇金利(金利引き下げ幅)」といいます。店頭金利を「商品の定価」と考える場合には、優遇金利は「割引額」と捉えることが可能です。

例えば、「店頭金利より年▲1.5%」といったように記載されている場合の優遇金利は、1.5%です。店頭金利から優遇金利を差し引いた金利が、実際の適用金利となります。

▼優遇金利の仕組み

店頭金利 – 優遇金利 = 適用金利

店頭金利は金融機関によって大きな差はありませんが、実際の適用金利は優遇金利によって変動します。優遇金利の引き下げ幅は、金融機関の販売戦略や販売店のキャンペーンなどによって差があるため、複数の商品を比較することがポイントです。

なお、実際に適用される優遇金利は、一定の引き下げ幅のなかから住宅ローン契約者の信用力や返済能力、自己資金の割合などを考慮して決定されます。

店頭金利が決まる仕組み

住宅ローンの金利タイプは、大きく分けて「固定金利型」と「変動金利型」があります。金利のタイプによって店頭金利を設定する際の指標が異なります。

▼固定金利型と変動金利型について

金利タイプ 概要
固定金利型 住宅ローン契約時の金利が完済するまでずっと変わらない
変動金利型 一定期間ごとに金利が見直され、借入期間中に適用金利が変動する

ここからは、店頭金利が決まる仕組みについてそれぞれ解説します。

固定金利型

固定金利型の店頭金利は、「長期金利」に基づいて設定されることが一般的で、その代表的なものが「長期プライムレート」です。長期プライムレートとは、金融機関が信用の高い企業に対して1年以上の融資を行う際に適用される最優遇金利のこと。

また長期プライムレートは、10年国債の利回り(※)による影響を受けるため、変動金利型よりも早く金利が動く傾向があります。

▼都市銀行における固定金利型の店頭金利(全期間固定金利方式の場合)

金融機関 固定金利型の店頭金利
みずほ銀行 2.56~2.87%
三菱UFJ銀行 3.52~6.24%
三井住友銀行 3.40~3.65%
りそな銀行 3.56~3.89%

*2025年4月9日時点

なお、2024年3月には日銀によってマイナス金利政策の解除が行われたことで、ここ1年で長期プライムレートの大幅な上昇が見られています。

※償還期限が10年の長期国債における1年当たりの運用益の割合

出典:日本銀行『長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降』

変動金利型

変動金利型の店頭金利は、「短期プライムレート」を指標として一定期間ごとに見直しが行われます。短期プライムレートとは、金融機関が信用の高い企業に対して1年以内の融資を行う際に適用される最優遇金利のことです。

短期プライムレートは、日銀が実施する政策金利の影響を受けます。そのため、金融政策が行われると変動金利型の金利も変動する可能性があります。

▼都市銀行における変動金利型の店頭金利

金融機関 固定金利型の店頭金利
みずほ銀行 2.625%
三菱UFJ銀行 2.875%
三井住友銀行 2.875%
りそな銀行 2.875%

※2025年4月9日時点

なお、変動金利型における店頭金利の見直しは、毎月行われるわけではありません。4月1日と10月1日の年2回で見直しが行われ、新利率については同年6月または12月の約定返済日(※)の翌日から適用される仕組みとなります。

※金融機関によっては5月または11月の場合もあります。

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適用金利を見るときの3つのポイント

住宅ローンの商品を選定する際は、適用金利をチェックすることが重要です。適用金利を見るときに押さえておくポイントには、以下の3つが挙げられます。

➀優遇金利の適用期間

住宅ローンの優遇金利は、実際の適用金利を左右する要素の一つとなるため、引き下げ幅だけでなく適用期間についても確認しておくことが欠かせません。

優遇金利の適用期間には、大きく2つのパターンがあります。

▼優遇金利の適用期間

優遇金利のパターン 金利の引き下げ期間
当初期間優遇タイプ 返済開始から3〜10年ほどの期間で金利が引き下げられる(期間後に引き下げ幅が縮小)
全期間一律優遇タイプ
(通期優遇)
返済開始から完済まで一定の利率で金利が引き下げられる

当初期間優遇では、借入当初の返済負担を軽減できる利点がありますが、適用期間後は優遇金利の引き下げ幅が小さくなるため適用金利が上がります。そのため、「初めの数年は返済額を抑えて、子どもの養育費や貯蓄に回したい」「繰り上げ返済で早めに完済する予定がある」といった方に向いています。

一方の全期間一律優遇では、借入当初の優遇金利は低めになるものの、完済まで優遇金利が変わらないため、返済計画を立てやすい利点があります。「返済額の変動をできるだけ抑えたい」「長期の借入期間でコツコツ返済したい」といった方に適しています。

②保障に関する上乗せ金利

住宅ローンを借りる際には、契約者に万が一のことがあったときに弁済が行われる「団体信用生命保険(以下、団信)」に加入する必要があります。

この団信には、金利を上乗せすることによってさまざまな保障を追加できるプランがあります。手厚い保障をつけるほど上乗せ金利の利率が高くなり適用金利に影響するため、毎月の返済額と保障のバランスを考慮することが大切です。

▼一般的な保障プランの内容

  • がん保障
  • 3大疾病保障
  • 7大疾病保障
  • 全疾病保障 など
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③借入時の諸費用

住宅ローンを契約する際には、手数料や保証料(※1)がかかり、支払い方法によって借入時の諸費用や毎月の返済額が上乗せになるため、注意が必要です。

手数料は、住宅ローンの融資を実行する際に金融機関に支払う事務手数料を指します。数万~数十万円の費用がかかることが一般的です。

保証料は、住宅ローンの保証会社に支払う費用です。保証会社と契約することで、契約者が返済できなくなったときに保証会社が金融機関に残金を支払います。ただし、契約者の債務は無くならず、保証会社に対して返済する義務があります。

▼手数料と保証料の目安

諸費用 金額の目安
手数料 借入金額の2.2%(※2)
保証料 借入金額の0%~2%

※1…保証料が不要な住宅ローン商品もあります。
※2…定率型の場合。借入金額に関わらず一定金額がかかる「定額型」もあります。

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自分たちに適した住宅ローンを選ぼう

住宅ローンの金利は、毎月の返済額や総返済額に影響します。返済計画を立てる際は、金融機関が提示する「適用金利」を確認しましょう。

ただし、適用金利は住宅ローンの契約内容によって異なります。優遇金利の利率や適用期間、団信の保障プランによる上乗せ金利なども併せて確認しておくことが重要です。

マルマインハウスでは、将来のライフプランや働き方などを踏まえたうえで、ご家族さまに適した返済計画をご提案いたします。

「月々どれぐらいの返済額で注文住宅が建てられるの?」「どの金利タイプが自分たちに合っているの?」など気になることがございましたら、お気軽にマルマインハウスまでご相談ください。

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2025.04.17

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