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家づくりについて奈良で快適な住環境を。特に冬、気になる断熱性を示すのは「UA値」。夏に気にするべき「ηAC値」とは?

以前のブログ「省エネ性能でよく見る「UA値」って?」では、最近、住宅の性能でよく聞く断熱性や気密性についてお話しました。

その時に
「断熱性能が高くなると、冬も夏も快適な暮らしをしながら冷暖房の利用を抑えられる。」「断熱性能を示す『UA値』は住まいの省エネ性能を測る基準になる。」
とご紹介しましたが、特に夏場に気にしたいのは断熱性だけではありません。

「この夏、断熱性が高い家に住んでいるはずなのに、思ったよりも涼しくなかった。家の中が暑かった」と感じた方もいらっしゃったかもしれません。

それはなぜなのか?今回は何の数値を気にすると夏場のお家がより快適で過ごしやすくなるか、改めてご紹介したいと思います。日本の夏は特に暑く、奈良や京都などの盆地は昔から『夏は暑く、冬は寒い』と言われているし。。。家の中も影響を受けないわけがないのだから仕方ない、とお思いの方は特にご覧いただきたいと思います。

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省エネ性能でよく見る「UA値」って?C値・Q値の基準も解説

夏場に快適に過ごしたいなら、気密性や断熱性能だけじゃない?!

先ほどご紹介した過去のブログには、「熱を通しにくくする『断熱性』と家の隙間がどのくらいあるかを表す『気密性』が高いと、省エネで快適な住まいである」とお伝えしていたのですが、夏場に気にかけた方が良い数値はそれだけではありません。

冬場は外が寒く、家の中を暖かくしたいため、暖かな空気を逃がさないようにするというのが一番大事でした。(隙間があったり、熱を通しやすいと暖かな室温を保てません。)
が、夏場は外が暑く、家の中を涼しくしたいのですが、どうしても太陽の光が窓などから入って家の中に熱がこもってしまいます。断熱性能を高くし、隙間を小さくするだけではなかなか外から入ってくる熱を防ぐことはできないのです。

 

夏場に快適に過ごせるかどうかは「ηAC値」を見よう

そこで、気にしたい指標が「ηAC値(イータエーシー値)」。これは冷房期(夏場)の平均日射熱取得率のことで、夏の暑い時期、窓や窓以外から侵入する日射により、住宅にどのくらい熱が入ってくるかを表した数値です。日射熱は外壁や天井などからも入りますが、ほとんどは窓から入ります。

この数値はゼロに近いほど夏の日差しを防ぎ、遮熱効果が高いということを意味しますので、数値が低いほど夏場に家の中が暑くなりにくく、その分、光熱費を抑えることができます。

ちなみにZEH基準ではηAC値については、H28年省エネルギー基準を満たした上で~と記載がありますので、H28年度省エネルギー基準と同じ値以下であればよいということになります。

関連情報
ZEH

 

ηAC値を低くするために

夏に家の中に入ってくる70%以上の熱は窓からとも言われています。一度熱を取り込んでしまうと、高い断熱性や気密性の家は逆に熱を逃がしにくいということにもなりますので、夏の室内を涼しくするためにはまずは陽射しが入らないようにし、熱を取り込まないことが大切です。

構造のお話をした時に「住宅の断熱でチェックしたいポイント」として窓のお話をしましたが、やはり熱の出入りが一番大きな「窓」自体の性能は重要です。
窓自体の断熱が高いということは、夏の強い陽射しも直接とりこまず、室内の温度の上昇を抑えられます。

高性能の窓のガラスにはLow-E複層ガラスというものがあります。こちらはガラスの表面にLow-E膜という、特殊金属膜をコーティングすることで優れた断熱性を実現。
またLow-E複層ガラスには「断熱タイプ(日射取得型)」と「遮熱タイプ(日射遮蔽型)」がありますので、陽射しの当たり方やどちらを優先したいかお部屋や方角などによって使い分けるとより快適なお家になると思います。
ですので、これから家を建てられる方にはぜひ窓にもこだわっていただきたいと思います。

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安心な住まいに求められる構造とは?何に影響するの?夏は蒸し暑い…!涼しく快適に過ごすための住まいの暑さ・湿気対策仕様・性能

 

窓周辺で陽射しを遮る方法

窓から取り込む陽射しを遮る方法としては他にも下記のような方法があります。

1.窓の内側から遮る
2.窓の外側から遮る

1.窓の内側から遮る

一番簡単に取り入れられる方法が、窓の内側、カーテンで遮る方法です。カーテンは遮光カーテンを使うと、普通のカーテンよりも夏の強い陽射しをより遮ることができます。
ただし、光をしっかりと遮るため、閉めてしまうと日中でも部屋が暗くなり、1日中電気をつけないといけなくなってしまいます。
せっかく大きな窓をつけて本当なら明るい部屋になるはずなのに、カーテンを閉めたことで暗い部屋になってしまうのは残念です。
子ども部屋など日中はあまり使わないという部屋なら良いのですが、LDKなど人の集まる場所は特に、陽射し対策を取るか、自然の明るさを取るかの選択となるでしょう。

2.窓の外側から遮る

こちらはシェード(遮光スクリーン)などの布を窓の外に取り付け陽射しを遮ります。
他にも緑のカーテンと呼ばれる、植物を絡ませてカーテンのように仕立て、陽射しを遮る方法もあります。この時に使われる植物はゴーヤやキュウリが多いよう。
すだれなどを窓の外に立てかけるのも方法の1つです。

また庇や軒をある程度とるということも対策の1つです。夏は日射確度が高く、冬は低くなります。ですので、庇をとることで夏の日射は遮り、深くとりすぎないことで冬は陽射しを取り込むことが可能になります。これは自然の力を取り入れたパッシブ設計です。

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自然をデザインする「パッシブ設計」で叶う、夏も冬も快適な空間

夏の暑さ、冬の寒さを和らげ、快適な住環境を手に入れるために

「夏も冬もお家で快適に過ごしたい」「省エネな家で光熱費を気にせず生活したい」という方は多いはず。そのためには、断熱性能を示す「UA値」、気密性を示す「C値」、夏の日射遮蔽を示す「ηAC値」の数値を購入前に気にしていただくと、その家に住むと快適かどうかが分かります。

断熱材でお家の断熱性能を上げることはもちろん、夏場は陽射しを遮り、家の中に熱をこもらせないようにすることも大切となります。そのためには高性能の窓を取り入れることが重要です。
すでに住んでいる方は窓からの陽射し対策をすることで、家の中の暑さが変わりますので、一度試してみてください。

マルマインハウスでは高断熱、高気密、そして窓に対する性能にも力を入れたゼールマルマインという住宅もご用意。こちらは断熱性能が国の推奨するZEHの基準を上回る高性能住宅となっています。
もちろんそこまでお金をかけるのは。。。という方もいらっしゃいますので、それぞれご希望のグレードにてお選びいただくことも可能。ちなみに標準仕様のZEH基準も窓はLow-E複層ガラスを使用したサーモスⅡ-Hを使用していますが、さらに窓の性能だけを上げることもできます。例えば、最近ではアルミと樹脂のハイブリッド窓でありながらも樹脂窓と同じくらいの断熱性能をもつサーモスXやオール樹脂のAPW330などに変更される方も増えています。

分譲地、注文建築ともに間取りやデザイン、設備だけでなくお家の性能についても選んでいただけるようになっていますので、気になる方は気軽にお問い合わせください。

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注文住宅分譲プロジェクト

2021.10.07

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