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お金に関して住宅ローンを借りるタイミングで転職してもいい?審査への影響や手続きとは
マイホームを建てるとき、ほとんどの方が住宅ローンを利用します。
住宅ローンを借りる際には、金融機関によって「きちんと返済できる能力があるか」といった審査が行われ、勤務先や勤続年数などもチェックされると考えられます。
転職をご検討中の方は、「住宅ローンの借入前に転職をしてもよいのか?」と住宅を購入するタイミングについて悩まれるケースも多いのではないでしょうか。
今回は、住宅ローンの審査でチェックされる項目をはじめ、転職時の注意点や借入後に転職した場合の手続きについて解説します。
住宅ローンの審査でチェックされる内容
住宅ローンの審査でチェックされる項目は、金融機関によって異なります。
各金融機関で審査内容が詳細に公開されていることはありませんが、国土交通省が国内の都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関を対象に実施している『令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査』では、主な審査項目が明らかにされています。
住宅ローンの主な審査項目
項目 | 審査対象としている金融機関の割合 |
---|---|
完済時年齢 | 98.5% |
健康状態 | 96.6% |
借入時年齢 | 96.0% |
年収 | 94.0% |
勤続年数 | 93.6% |
返済負担率 | 92.0% |
担保評価 | 91.8% |
金融機関の営業エリア | 90.4% |
連帯保証 | 87.1% |
国籍 | 75.6% |
雇用形態 | 71.5% |
カードローン等の他の債務の状況や返済履歴 | 65.7% |
業種 | 43.5% |
雇用先の規模 |
32.9% |
上記のほかにも、家族構成や所有資産などが審査対象の項目となる場合があります。
多くの金融機関で対象とされる審査項目は「年齢」や「健康状態」となっており、次いで「年収」や「勤続年数」などの勤務状況を重視する金融機関が多いことがわかります。
なかには雇用形態や業種、雇用先の規模といった項目も審査対象となるケースがあります。なお上位90%以上の8項目については過去の調査(R4.R3年度)もすべて90%以上の金融機関で考慮されています。
また奨学金や車などのローンがある場合も借入れ可能額などへの影響もあるため、60%以上の金融機関で対象になっている項目です。他で借入している金額以外にも滞納がないかなどの信用情報も確認されます。
住宅ローンの審査については、こちらの記事をご覧ください。
出典:国土交通省『令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書』
住宅ローンの借入前に転職しても大丈夫?
多くの金融機関において、住宅ローンの審査で勤続年数や雇用形態などがチェックされていることを踏まえると、借入前に転職すると審査が厳しくなり、場合によっては審査に通らない可能性もあります。
転職をすることによる変化
- 勤続年数が短くなる
- 年収が下がる可能性がある
- 雇用形態が変わる可能性がある
- 会社規模が前職よりも小さくなる可能性がある など
金融機関では、住宅ローンの申し込みにあたって1年以上の勤続年数が設定されているところが一般的で、中には2~3年以上とする金融機関もあります。勤続年数が長いほうが収入が安定しており、昇給による収入アップが見込めることから、審査に通りやすくなるといわれています。
転職して勤続年数がリセットされると、金融機関からの信頼を得にくくなり、住宅ローンの申し込みができなかったり、審査が厳しくなったりすることが考えられます。
また、転職によって「収入が下がる」「雇用形態が正規から非正規に変わる」「会社規模が小さくなる」といった変化が生じると、収入の安定性や返済能力を見通すことが難しくなります。そのため、借入できる金額が少なくなったり、審査に影響を及ぼしたりする可能性も考えられます。
一方、業績が安定している大企業や収入がアップする企業へ転職する場合には、勤続年数が短くても住宅ローンの審査に通りやすくなることがあります。
住宅ローンを借りる前に転職する際の注意点
転職をして勤続年数が短くなると住宅ローンの審査が厳しくなる可能性がありますが、金融機関のなかには、「一定の融資条件をクリアすれば勤続年数や雇用形態を問わない」というところもあります。
マイホームの購入前に転職を予定している場合は、住宅ローンの申し込みが可能な勤続年数や雇用形態の条件などを確認しておくことが大切です。
また、審査に通りやすくするには、転職先の選び方や住宅ローンの返済方法なども工夫することがポイントといえます。
転職をして住宅ローンを借りるときのポイント
- 自己資金を多くして借入額を少なくする
- 今よりも収入アップや安定性が見通せる職場へ転職する
- 勤続年数や雇用形態などの融資条件が緩和されている住宅ローンを選ぶ など
金融機関によっては、住宅ローンの審査にあたって転職先での雇用契約書や見込収入証明書、職歴書などの提出が求められるケースがあります。
今後の収入見込みやライフステージの変化などを踏まえて、無理なく返済できる借入方法を検討することが重要です。
住宅ローンの借入後に転職した場合に必要な手続き
住宅ローンの融資がスタートしてから転職をした場合には、金融機関への報告や住宅ローン控除に関する手続きが必要になる場合があります。住宅ローン契約書や借入れしている金融機関に直接確認をしましょう。
1.金融機関への報告
住宅ローンの借入後に転職した場合は、金融機関へ報告する必要がある場合があります。
基本的に借入時点で住宅ローンの審査要件を満たしていれば、返済中に転職をして収入等に変化があったとしても、借入条件や返済条件が変わることはありません。
ただし、転職に関する報告に関しては、住宅ローンの契約において規定されているケースが多くなっています。あらかじめ金融機関で転職に関する規定を確認しておき、必要であればすみやかに報告を行いましょう。
2.住宅ローン控除の手続き
住宅ローン控除を受けている場合には、転職のタイミングに応じて所定の手続きが求められます。
転職のタイミング | 手続き |
---|---|
同じ年に退職と再就職をする | 年末調整で住宅ローン控除の手続きが必要。転職先の会社で手続きを行う。(前職の源泉徴収票を転職先に提出する必要あり) |
退職した年に再就職しない |
前職の源泉徴収票で自身による確定申告を行う。 |
3.返済期間の変更や借り換えの検討
住宅ローンの返済中に転職をして収入が減少した場合には、これまでと同じ金額で返済を継続することが難しいケースもあります。
住宅ローンの返済によって家計の負担になる場合には、返済期間の延長や、手元にある程度まとまったお金がある場合は繰り上げ返済をするなどして月々の返済額を減らしたり、借り換えを検討したりすることも一つの方法です。
ただし、住宅ローンの借り換えにあたっては手数料や諸費用がかかるほか、契約に際して審査がある点には注意が必要です。転職した直後だと借り換えが難しいことも考えられます。
将来を踏まえた返済計画が大切
転職によって年収や雇用形態などに変化が生じる場合には、住宅ローンの借入れについて慎重に検討することが重要です。勤続年数が短く今後の収入について見通しが立ちにくい状態では、金融機関による審査が厳しくなる可能性があります。
また、今後の収入見込みを踏まえて、毎月無理なく返済できる借入金額と返済期間を考えることも欠かせません。将来的に転職を考えている方は、「収入が変わっても毎月の返済ができるか」を踏まえて、返済計画を立てることが必要です。
住宅を購入するタイミングで転職を検討している方や、住宅ローンの審査に不安がある方は、マルマインハウスまでご相談ください。注文住宅を建てるときに考えるべきお金のことは、住宅ローンだけではありません。新しい家に住み始めてからその先に至るまで、ご家族が安心して暮らしていけるように資金計画をサポートいたします。
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2024.06.13