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お金に関して住宅ローンの契約時には生命保険を見直そう。確認しておきたい保障内容とは
住宅ローンを契約する際には、「団体信用生命保険」への加入が必要になります。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済中に契約者に万が一のことがあった場合に、保険会社によって残債が支払われる保険制度です。ほかの家族が住宅ローンの残債を背負わなくてよいため、これまでの生活を守ることができます。
しかし、すでに契約者が生命保険に加入しているケースもあります。このような場合には、団体信用生命保険と加入中の生命保険の保障内容が重複する可能性があるため、契約のタイミングで見直すことが大切です。
この記事では、団体信用生命保険の一般的な保障内容と加入中の生命保険を見直す際にチェックするポイントなどを解説します。
団体信用生命保険の仕組み
団体信用生命保険(団信)に加入すると、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険会社から銀行に保険金が支払われ、残債がゼロになります。不測の事態になったときでも、団信に加入することで家族の安定した生活が守られます。
▼団体信用生命保険の基本
- 民間の金融機関では加入が必須
- プラン(特約)によって保障内容が異なる
- 手厚い保障になるほど金利が高くなる
民間の金融機関で住宅ローンを契約する際には、団体信用生命保険への加入が必須とされており、審査によって加入できない場合には借入契約ができない仕組みとなっています。
また、団体信用生命保険のプランによって保障の範囲が異なり、保障が手厚くなるほど借入金利が高くなります。保険料は毎月の住宅ローン返済額に含まれているため、別途保険会社に支払う必要はありません。
※フラット35などの公的な住宅ローンでは団信への加入は任意となっています。
団体信用生命保険の一般的な保障内容
民間の金融機関が提供する住宅ローン商品における団体信用生命保険では、基本的な保障に加えて、さまざまな特約を付加して保障内容を手厚くすることが可能です。
一般団信の保障内容
一般団信の基本的な保障では、契約者が死亡または高度障害状態になった際に、保険金によって残債の支払いが行われます。
▼基本的な保障内容
保障の対象となる事由 | 保険支払いの条件 |
---|---|
死亡 | ローン返済中に死亡した場合 |
所定の高度障害状態 |
保障開始日以後に生じた傷害や疾病により、高度障害状態になった場合 【保障対象となる高度障害】
|
基本保障に付加できる特約付きプラン
基本保障に特約を付けることでより手厚い保障を受けられます。金融機関の住宅ローン商品によって特約は異なりますが、一般的に以下のようなプランがあります。
▼主要な特約付きプランの内容
保障の内容 | |
---|---|
3大疾病保障 | がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態が継続した場合に残債が完済される |
8大疾病保障 | 3大疾病に加えて、高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎などの生活習慣病により所定の状態が継続した場合に、残債が完済される |
全疾病保障 | 8大疾病に加えて病気やケガによって所定の期間で就業不能になった場合に残債が完済される |
がん団信 | がんと診断された際に残債が完済される |
これらの特約を付けることで、がんや病気になった場合に一定条件を満たすことで住宅ローンの残債がゼロになります。なお、特約プランを選んだ際の住宅ローンの金利については、年0.1%〜0.3%ほどが上乗せされることが一般的です。
※金融機関によってプラン名や保障対象の認定基準などは異なります。
加入中の生命保険と保障内容の重複がないかチェック
住宅ローンの契約者となる家族がすでに生命保険に加入している場合には、「団体信用生命保険の保障内容と重複していないか」をチェックすることが重要です。保障内容の重複を見直すことによって、加入中の生命保険の保険料を下げられる可能性があります。
団体信用生命保険と生命保険との違いは、以下のとおりです。
団体信用生命保険 | 生命保険 | |
---|---|---|
保険料の支払い | 住宅ローンの金利に含まれる | 月々の支払いが必要 |
保障内容の選択 |
|
|
保険金額 | 住宅ローン残債が限度 | 自由に設定可 |
加入のタイミング | ローン契約時 or 借換え時 | 都度 |
中途加入・解約 | 不可 | 可能 |
保険料の控除 | 対象外 | 対象 |
▼団体信用生命保険と生命保険との違い
生命保険の場合には、契約者のニーズに合わせて保障の範囲や受け取れる保険金額を自由に設計することができ、いつでも加入、解約、変更が可能です。
例えば、「団信でがん・疾病保障の特約を付ける代わりに生命保険の保険金額を減らす」「団信に就業不能保障の特約を付けるため、重複する生命保険の保障プランを解約する」などの見直し方が考えられます。
団信に関する金利のプラス額や生命保険の保険料などを踏まえて、保障内容をバランスよくカバーできるように組み合わせることがポイントです。
住宅ローン契約時には家計を見直そう
住宅ローンの契約時には、生命保険を含めて家計を見直す機会といえます。
マイホームを購入すると、多くの方が35年、最近では40年の方もいたりと長期にわたって住宅ローンを返済していくことになります。固定費となる生命保険を見直すことで、毎月の支払い負担を減らしたり、浮いた保険料でほかの保障を増やしたりできます。
例えば、夫婦共働きで二人世帯の場合、団信による基本保障で十分なケースもあるかもしれません。一方、お子様がいる世帯では、もしものケースを想定して疾病や働けなくなったときの保障があると安心です。
家族構成や収入、貯蓄の状況、今後のライフプランを考えて、いざという時に必要な保障を備えておくことが大切です。
家族に合った住宅ローン選びをサポートします
住宅ローンの契約時には、加入中の生命保険の内容をチェックして、「団体信用生命保険ではどのような保障内容が必要か」を検討することが重要です。保障内容の重複を見直すことによって、毎月の保険料の支払いを抑えられる場合があります。
団体信用生命保険では、基本の保障(死亡保障・高度障害保障)に加えて、がんや疾病保障、就業不能保障などの特約を付加できます。ただし、契約後にはプランを変更できないため、慎重に判断する必要があります。
マルマインハウスでは、住宅ローンの選定や返済プランの計画まで、ご家族さまの状況をお伺いしながらベストな選択をサポートいたします。お金に関する疑問や相談も、プロの視点からアドバイスいたします。
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住宅ローンに関するノウハウは、こちらのページでも紹介しています。
2025.09.18