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家づくりについて屋根の形状で住宅の印象が変わる! 代表的な7つの種類のメリット・デメリットを解説

住宅の屋根には、さまざまな形状があります。外観の印象を決める重要な要素となるほか、雨風による影響やメンテナンスのしやすさ、建築費用などにも関係するため、慎重に選ぶことが大切です。

特に近年では、全国各地において台風や集中豪雨による自然災害の被害が頻発しています。屋根は建物全体を雨風から守る役割を持つことから、自然災害を考慮して形状にもこだわることも重要といえます。

今回は、注文住宅で採用されている一般的な屋根の形状ごとに特徴やメリット・デメリットをご紹介します。

注文住宅で採用される屋根の形状

住宅街を歩いているとさまざまな形状の屋根を目にします。「自分たちの住まいはどのような屋根にしようかな」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

注文住宅で採用されている一般的な屋根の形状には、主に以下の7種類が挙げられます。

➀切妻屋根

施工事例
大自然を暮らしの風景に。平屋の家

切妻(きりづま)屋根は、建物の両側に2枚の板を傾斜させた山形の屋根です。

本を開いて伏せたような形をしているのが特徴で、日本でも古くから見られるスタンダードな屋根とされています。

写真の場合、扉があり三角の屋根に見える面を「妻壁」、妻壁に対して垂直で、屋根が1本の線に見える面を「平側」といいます。建坪が広くなるほど勾配が緩やかになり、狭くなるほど勾配がきつくなります。

▼切妻屋根のメリット・デメリット

メリット

・シンプルな形状のため、施工費を抑えやすい

・ソーラーパネルの設置がしやすい

・勾配によって水はけがよく、雪も積もりにくい

・メンテナンス費用を抑えやすい など

デメリット

・個性的なデザインを反映するのが難しい

・妻壁は雨や直射日光の影響で劣化しやすい など

②寄棟屋根

施工事例
暮らしに豊かさを。外と程よく繋がる家

寄棟(よせむね)屋根は、空から建物を見たときに屋根の頂点から4方向に傾斜させた形状の屋根です。1つ目に挙げた「切妻屋根」の妻壁側に軒を追加したような形をしているため、妻壁側においても雨風の影響を防ぎやすい特徴があります。

また、屋根の頂上に水平の棟があり、面の長い方は台形に見えることから、重厚感のある落ち着いた佇まいに仕上がります。

▼寄棟屋根のメリット・デメリット

メリット

・4方向に勾配があるため、雨や雪を分散できる

・雨や直射日光による外壁の劣化を防ぎやすい

・耐風性能が高い

・重厚感のある落ち着いた印象になる など

デメリット

・屋根裏が狭くなるため、通気性があまりよくない

・切妻屋根と比べると施工費が高くなりやすい

・屋根の面積によってはソーラーパネルを設置する面積を確保しにくい など

③方形屋根

方形(ほうぎょう)屋根は、屋根の中心を頂点として4方向に傾斜を設けた屋根です。屋根の頂上に棟がなく、ピラミッドのような形をしていることが特徴です。

寄棟屋根と同じく、外壁の4方面に屋根の軒を配置することから、雨風や直射日光による影響を防ぎやすくなります。また、同じ角度で均一に屋根が配置されるため、安定性が高く耐久性にも優れています。

▼方形屋根のメリット・デメリット

メリット

・雨や雪を四方に分散できる

・雨や直射日光による外壁の劣化を防ぎやすい

・屋根の安定性が高く、風圧や地震に対する耐久性が高い

・外壁の劣化を防ぎやすい など

デメリット

・屋根裏に湿気がこもりやすい

・頂部に棟がなく点になるため、雨漏りのリスクが高まる

・太陽光パネルの設置に向いていない など

④片流れ屋根

片流れ(かたながれ)屋根は、屋根面が1枚で構成されており、片方に傾斜を設けた形状の屋根です。左右非対称の形状をしており、屋根の棟と軒先の直線ラインが際立ったデザインとなるため、スタイリッシュで洗練された印象に仕上がります。

また、屋根面が1面のみとなることから、比較的面積が小さい住宅や斜線制限がある場合にも採用されやすくなっています。

▼片流れ屋根のメリット・デメリット

メリット

・屋根面を広くとれるため、ソーラーパネルを設置しやすい

・斜線制限に対応しやすい

・スタイリッシュでおしゃれな外観になる

・構造がシンプルなため、施工費やメンテナンス費を安く抑えられる など

デメリット

・勾配が片側のみで雨や雪が集中しやすいため、雨どいに負担がかかる

・軒がない側の外壁は雨や直射日光によって劣化しやすい など

⑤陸屋根

陸(りく・ろく)屋根は、屋根に傾斜がなく平らな形状をした屋根です。建物全体が四角形に見えるため、すっきりとモダンな印象となります。

ただし、勾配が小さく軒がないことから、水はけや外壁への影響を受けやすくなります。雨漏りを防ぐための防水・排水設備や外壁のメンテナンスを行うことが重要です。

▼陸屋根のメリット・デメリット

メリット

・屋上のスペースをつくれる

・室内の空間を広く確保しやすい など

デメリット

・雨や雪が溜まりやすく雨どいに負担がかかる

・防水・排水のための設備や外壁塗装に費用がかかる

・こまめに屋上や外壁のメンテナンスが必要 など

⑥差し掛け屋根

施工事例
憧れの中庭と県内産の木を取り入れた家

差し掛け(さしかけ)屋根は、切妻の屋根の勾配の高い位置を合わせずに、あえて片側の屋根を一段下に壁から出る形で取付け、屋根面の段差を設けた形状の屋根です。シンプルな形状の切妻屋根と比べて、外観にアクセントをプラスすることができます。

また、屋根の高低差を設けることで、屋根裏のスペースを広く確保しやすくなり、通風や採光を確保するうえでもさまざまなメリットがあります。

▼差し掛け屋根のメリット・デメリット

メリット

・シンプルながらもこだわりのある外観デザインができる

・屋根裏の通風を確保しやすく、湿気がこもりにくい

・日射の方向に応じてソーラーパネルを設置できる

・段差部分の外壁に窓を設置して光を取り入れることもできる など

デメリット

・屋根と外壁の接続部分が多く、雨漏り対策の強化が必要 など

⑦その他(複合型の屋根)

施工事例
おうち時間を楽しむスキップフロアの家

上記で取り上げた形状以外にも、さまざまな形状を組み合わせた複合型の屋根もあります。周辺環境や日射の方向、斜線制限、積雪の有無などを踏まえたうえで、屋根の形状を考えることが重要といえます。

▼複合型の屋根のメリット・デメリット

メリット

・個性的な外観デザインを叶えられる

・斜線制限に対応しやすくなる

・間取りや窓の位置などを考慮して形状を組み合わせられる など

デメリット

・屋根の形状に合わせた防水・排水の対策が必要

・施工費が高くなりやすい など

デザインと機能面の両方で屋根の形状を選ぶことが大切

注文住宅の屋根には、シンプルなものから重厚感ある落ち着いたデザイン、現代的でスタイリッシュなデザインなどさまざまなバリエーションがあります。

見た目の印象だけでなく、「雨や雪をスムーズに排出できるか」「雨風や直射日光をどのように防ぐか」といった点を考慮して勾配の角度や軒の長さを決めたり、雨漏りや劣化の対策を行ったりすることが大切です。

マルマインハウスでは、その地域の気候・風土や周辺環境、街並みの風景など総合的に見たうえで、外観も含めた住宅設計を行っております。わが家への愛着が生まれる住まいづくりをお手伝いいたします。

外観・外構の施工写真は、こちらからご確認いただけます。

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