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その他注文住宅で最新の暮らしに「スマートハウス」とは?
注文住宅の購入を検討されている方であれば、「スマートハウス」という言葉を目にする機会も多いのではないでしょうか。
2020年10月26日、政府は「2050年のカーボンニュートラルの実現及び2030年度温室効果ガス46%削減実現を目指し、50%の高みに向けた挑戦を続けること」を宣言しました。 これを受けて国内では、住宅・建築物の省エネ対策を強化するためのさまざまな政策が行われています。
これから家を建てる方にとっては、「環境に優しいエコな家」はまさに欠かせないキーワードといえます。それを実現する住まいの形が「スマートハウス」です。
今回は、スマートハウスとは何か、またスマートホームやZEHとの違い、HEMSについても詳しくお話していきます。
スマートハウスとは
「スマートハウス」とは、照明器具や調理器具、空調設備、家電などの電気・ガスを使用する設備機器をITによって制御して、消費エネルギーを最適化する住宅のことです。
スマートハウスが注目される背景として、国が推進している環境保護への対応だけでなく、コロナ禍におけるライフスタイルの変化があります。
コロナ禍では、生活スタイル・働き方の変化が見られており、“巣ごもり”や在宅勤務が広く浸透するようになりました。長い時間を自宅で過ごす人が増えたことから、エネルギーを最適に使えるスマートハウスに注目が集まっているのです。
スマートハウスの3つの要素「創エネ・蓄エネ・省エネ」
スマートハウスには、創エネ・蓄エネ・省エネといった3つの要素において、消費エネルギーを最適化するための設備が必要です。
■エネルギーを創る (創エネ)
太陽光発電システムや、エネファーム(家庭用燃料電池)などでエネルギーを自給します。創出したエネルギーは、家庭用電力として使用したり、電力会社に売電したりできます。
■エネルギーを蓄える (蓄エネ)
蓄エネの設備としては、家庭内で創出した電気を貯めておける住宅用蓄電や、電気自動車などが挙げられます。エネルギーを蓄えることで、災害時や停電時などの必要なときに電力を取り出して生活を維持することが可能です。
■エネルギーを抑える (省エネ)
省エネを実現するものには、高効率給湯器やLED照明、高効率空調設備(エアコン)、食洗器などさまざまな設備があります。スマートハウスでは、『HEMS(ヘムス)』で省エネを実現することが重要なポイントとなります。
スマートハウスに欠かせない「HEMS(ヘムス)」
スマートハウスの3要素やそれを構成するための設備をご紹介しましたが、「スマートハウス」には厳密な定義や必須の機器が設けられているわけではありません。
ただし、スマートハウスに欠かせない技術として『HEMS(ヘムス)』があります。
HEMSは“Home Energy Management System”の略で、「家庭内エネルギー管理システム」を意味します。住宅内の設備・家電をネットワーク化して、電気・ガスなどのエネルギー消費量や利用状況を見える化して、一元管理します。
家庭内のエネルギーが「いつ・どこで・どれだけ」使用されたのか可視化できるほか、高機能なものであればエネルギー消費量の自動制御を行い最適化することが可能です。
政府は、住宅の標準装備としてHEMSを挙げており、「2030年までに全ての住まいにHEMSを設置すること」を目標に掲げています。
「スマートホーム」や「ZEH」との違い
スマートハウスとよく似た言葉に「スマートホーム」があります。これは、IoT対応の住宅設備やスマート家電とのサービス連携によって、生活の利便性や快適性を高める暮らしのあり方を指します。
スマートハウスでもIT技術を利用しますが、こちらは消費エネルギーの最適化を目的としています。一方のスマートホームでは、ライフスタイルの質の向上を目的としています。
また、省エネ・創エネの考え方や、活用する設備などが共通している住宅として「ZEH(ゼッチ)」があります。ZEH(ゼッチ)とは、断熱性と省エネ性能を高めて、太陽光発電などでエネルギーを創り、1年間で住宅にかかるエネルギー消費の収支をプラスマイナスゼロにする住宅です。
スマートハウスでは、エネルギーを賢く使用することを目的としているのに対して、ZEHでは家庭で消費するエネルギーをすべて自家発電でまかなうことを目的としており、少し意味合いが異なります。
スマートハウスのメリット・デメリット
「IT技術を駆使しながらエネルギーを賢く利用する。」そんな最新の暮らしを実現するスマートハウス。スマートハウスを建てるにあたっては、メリット・デメリットをよく理解しておくことが大切です。
メリット
スマートハウスのメリットには、電気代を節約できることや、快適な暮らしを実現できることが挙げられます。
スマートハウスでは、太陽光発電システムや高効率空調設備などを活用するため、光熱費を抑えられます。太陽光発電システムでは、固定価格買取制度(FIT)(※)を利用すれば、自宅で使い切れなかった電気を売電することも可能です。
また、HEMSをはじめとするIoT技術が積極的に活用されるのもスマートハウスの特徴です。最新技術を搭載した住宅設備や家電は、日々の生活に便利で快適な暮らしをもたらしてくれます。
※…電力会社が、家庭の再生可能エネルギーで発電した電気を買い取る制度
デメリット
設備の導入や維持に費用がかかる点は、スマートハウスのデメリットといえます。
スマートハウスの実現には、明確な基準はないものの、太陽光発電システムや住宅用蓄電、HEMSなどの設備・システムの導入が必要です。これらを設置するための費用や、メンテナンス費用などが高額になることもあります。
とはいえ、消費エネルギーを最適化できれば、長い目でみると光熱費を削減できる可能性があります。ランニングコストや創出できるエネルギー量とのバランスを考慮して、使用する設備等を検討することが大切です。
次世代の暮らしという視点で考える注文住宅
スマートハウスには、創エネ・蓄エネ・省エネの3つの要素が求められます。活用できる住宅設備や家電機器は多岐にわたりますが、なかでも欠かせないのがHEMSです。
HEMSを導入して、家庭内の消費エネルギーを可視化・一元管理することで、効率的に賢くエネルギーを使用できるようになります。
環境保護への意識が高まる現代において、少ないエネルギーで快適な暮らしを実現することは、これから注文住宅に求められる要素の一つといえます。
しかし一方で、住宅性能やIoT技術などの知識をはじめ、家庭のエネルギー消費量に配慮した住まいがどのようなものか、イメージしづらい方も多いかと思います。
マルマインハウスでは、省エネやエコの観点を取り入れながら、お客さまの住宅へのこだわりやライフプラン、ご予算などトータルバランスを考慮した住宅プランを提案いたします。
過去の施工事例をもとに、次世代型住宅のスマートハウスについてもご説明いたしますので、疑問やご要望がございましたらぜひお聞かせください。
2022.11.17