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家づくりについて家の“エクステリア”で災害への備えを!家族の暮らしを守るための設計ポイント

近年、豪雨や台風などの自然災害に関するニュースが多く、「どのような家づくりをするべきか」と改めて考えられている方もいるのではないでしょうか。

防災の観点で押さえておきたいのが住宅のエクステリアです。エクステリアというと、外観の美しさやデザインなどの見た目に関して注目しがちですが、実は防災の観点からも重要な役割を持っています。

今回は、防災の観点から見たエクステリアと役割と安心な暮らしを守るための設計ポイントなどについてご紹介します。

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見た目の美しさだけではない!エクステリアの役割

エクステリアとは、家の外まわりの空間全体を指します。

▼エクステリアに含まれるもの

  • 外壁
  • 塀・フェンス
  • カーポート・駐車スペース
  • デッキ・テラス
  • 植栽 など

家の外側を構成するエクステリアは、外観の印象を左右する要素となるほか、防災の機能としても重要な役割があります。

例えば、自然災害で家の外に避難が必要になった際に安全な経路を確保したり、浸水や飛散物から建物を保護したりすることなどが考えられます。

災害大国と呼ばれる日本では、耐震性・耐風性を強化した設計をはじめ、水害による浸水や火災の延焼を防ぐための対策、停電時にライフラインを確保するための対策などが求められます。

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暮らしを守るためのエクステリア設計のポイント

家族の安心な暮らしと住宅を守るためのエクステリア設計のポイントについて、災害対策ごとにご紹介します。

①水害対策のためのエクステリア設計

水害対策では、地面における排水性の向上と住宅への浸水対策がポイントです。

排水性の向上

アプローチや庭に水がたまりにくい地面をつくる必要があります。

地面の舗装資材として、透水性が高い舗装材や砂利を用いる方法があります。雨水を地中に浸透させることで、表面排水を軽減して一時的な冠水リスクを抑えることが可能です。

また、側溝や雨水浸透桝(※)の整備も必要です。勾配をつくり雨水が側溝や雨水浸透桝に集まるように設計することで浸水被害の抑制につながります。

※雨水浸透桝(うすいしんとうます)…雨水などを地面へ浸透させるための設備。駐車場や庭に設置可能。

床下浸水の対策

台風や豪雨が発生した際には、洪水・内水氾濫によって建物の床下浸水が起こるリスクがあるため、雨水の侵入を防ぐ対策が必要です。

▼床下浸水の対策例

  • 建物までの間に階段やスロープを設けて道路面から高低差をつける
  • 門扉の開口部に取り外し可能な止水板を設置する
  • 道路面と敷地の境界にコンクリート塀をつくる
  • 盛土をしてから住宅を建てる など

建物の浸水対策では、住宅を建てるエリアにおける浸水想定や地形、周囲の排水状況などを考慮して外構を設計します。道路面からの高低差をつくったり、止水板やコンクリート塀で雨水や土砂が流れ込まないようにしたりします。

②台風対策のためのエクステリア設計

7月から10月にかけて多く発生する台風によって、水害だけでなく強風による被害が発生しています。門扉やカーポートなどの耐風性を高めるとともに、飛来物から建物を守るための対策が必要です。

ガレージやテラスの耐風性向上

ポリカーボネート製のカーポートやテラス屋根は、強風時には簡単に外れるように設計されていますが、強度の高い素材や安定性の高い設置方法にして、耐風性を高めるという方法があります。

▼耐風性を高める設計例

  • スチール板を使用した折板式の屋根を導入する
  • 耐風シャッターを使用したガレージを設置する
  • 自転車を固定するサイクルポートを設置する など

飛来物からの防御

住宅のエクステリアは、強風による飛来物から建物を守る役割があります。耐風圧強度が高く風の影響を受けにくいフェンスやシャッターなどを設置することがポイントです。

▼飛来物から守るための設計例

  • 敷地の境界に防風フェンスを設置する
  • カーポートの出入口にルーバータイプや格子状のゲートを設置する
  • 窓の外側に耐風シャッターを設置する など

③地震対策のためのエクステリア設計

エクステリア設計における地震対策では、揺れによる外構部分の倒壊を防ぐことや安全に避難ができる経路・スペースの確保が重要となります。

塀やフェンスの耐震性向上

塀やフェンスなどは、地震が起きた際に倒壊しにくい設計にすることが大切です。

現行の基準通りにつくられた鉄筋入りのブロック塀は、強度が高く倒壊のリスクを抑えられるほか、津波による漂流物の侵入を防ぐ役割を果たします。

また、プライバシーの観点から高い塀を設けたい場合には、軽量素材のフェンスが有効です。アルミや樹脂など軽量素材を選択することにより、自重による揺れが低減され、倒壊しにくいと考えられます。

避難のための経路やスペースの確保

大規模な地震が発生した際は、建物の安全が確保できるまで避難が必要になることがあります。スムーズに家の外・道路まで出られる避難経路の確保や、一時的な避難場所として使えるスペースを確保しておくことが重要です。

▼避難経路を確保するための設計例

  • 勝手口からガレージにつながる動線を設ける
  • 外構の通路幅や門扉の出入口を広めに確保する
  • 通路に滑りにくい素材を使用する
  • 玄関から門扉までの経路にソーラー式の照明を設置する など

▼避難スペースを確保するための設計例

  • 耐震性に優れたカーポートを設置する
  • シャッター付きガレージを設置する

なお、近年では自宅でアウトドアを楽しむご家庭が増えています。ガーデンシンクやバーベキューコンロ、ソーラーライトなどのアウトドア用品を備えておくと、ライフラインが停止した際の防災グッズとしても使えます。

④火災対策のためのエクステリア設計

地震や落雷による火災の対策も考えておくことが必要です。エクステリアの設計では、庭や隣家への延焼を防ぐための対策が求められます。

防火性・耐火性の高い素材の選定

アプローチやガレージ、門扉、塀などには、防火性・耐火性が高い素材を選ぶことが重要です。防火性・耐火性が高い素材を選ぶことで、燃え広がるスピードを遅らせて延焼による被害を抑えることが期待できます。

▼防火性・耐火性が高い素材の例

  • 耐火レンガ
  • コンクリートブロック
  • 金属パネル など

防火帯としての植栽の導入

火に強い植物を植栽として導入することも対策のひとつです。住宅内で火災が発生した際に、燃え広がりを防ぐための防火帯としての役割を果たしてくれます。

▼耐火性の高い植栽の例

  • アジサイ
  • ツゲ
  • ヤツデ
  • キョウチクトウ など

停電・断水時に備えたライフラインの確保も欠かせない

自然災害が発生すると停電や断水が起こる可能性があります。エクステリア設計で水害・風害・地震災害・火災などを防ぐとともに、在宅での避難生活が必要になった場合に備えてライフラインを確保することが欠かせません。

▼停電時に備えた対策

  • 庭への雨水タンクの設置
  • 太陽光発電パネル・蓄電システムの導入
  • ソーラーライトの設置

雨水タンクは、屋根から雨どいに流れた雨水を溜める設備です。断水時に生活用水として使用することが可能です。

太陽光発電パネルと蓄電システムを導入すると、日中に発電した電力を停電時に使用でき、冷蔵庫や照明、モバイル端末の充電などに役立ちます。非常用電源として設置しておくと、いざという時も安心です。また、庭やアプローチにソーラーライトを設置しておくと、停電時の夜間でも明るさを確保できます。

いざという時を想定したエクステリアづくりを

災害の多い日本では、非常時を想定した家づくりが大切です。

家のいちばん外側にあるエクステリアは、災害時に家族を守るための防御壁となります。デザイン性・機能性に加えて、災害による被害を低減するための設計も考慮されていると安心です。

マルマインハウスでは、ご家族さまが安心・安全に暮らすために、立地や環境に応じた災害に強い家づくりを行っています。建物の耐震性をはじめ、エクステリアにおいても台風や豪風、地震などを想定した設計プランをご提案いたします。

建物の構造・耐震・耐久性などはこちらをご確認ください。

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構造・耐震・耐久性

また、住宅の設備についてはこちらの記事もご覧ください。

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2025.08.28

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