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土地選びのポイント造成地とは。分譲地との違いや購入時に確認しておくポイント
土地探しをしていると、不動産広告で「造成地」という言葉を耳にしたことがある人もいるかと思います。「分譲地と何が違うのか」「購入しても大丈夫なのか」と疑問や不安を持つ方もいるのではないでしょうか。
注文住宅を建てるにあたって、土地探しは家づくりの第一ステップとなります。後悔しないためには、土地の種類や注意点について理解を深めておくことが欠かせません。
そこで今回は、造成地の意味や分譲地との違い、造成地を購入する際の確認ポイントを解説します。マイホームを検討されている方はぜひ参考にしてください。
造成地(ぞうせいち)とは
造成地は、住宅をはじめとする建物を建築するために整備した土地のことです。
造成工事が行われる土地には、以下が挙げられます。
▼造成工事が行われる土地
- 山林、竹林、雑木林
- 農地(田んぼ・畑)
- 沼地(沼・池)
- 一部が変形している土地
- 傾斜など高低差がある土地
- 地盤が弱い土地 など
造成地が生まれる理由には、大規模な住宅開発や防災対策などが挙げられます。そのままでは住宅を建てられない山林や農地、沼地などの造成工事を行い、区画整理やインフラ整備が行われるケースがあります。
また、災害時の土砂崩れや地盤沈下などのリスクを防ぐために、土地の平坦化や地盤改良、給排水設備の改修などが行われる場合もあります。
分譲地との違い
宅地として整備された土地に「分譲地」がありますが、「造成地」とは意味が異なります。
分譲地とは、土地を複数の区画に分けて販売される宅地のことです。これに対して造成地は、宅地用に工事を終えた土地を指します。
▼造成地と分譲地の違い
土地の名称 | 意味 |
---|---|
造成地 | 山林や畑などの造成工事を行い、宅地用に整備した土地 |
分譲地 | 広い土地を区画整理して、住宅用に販売された土地 |
このように、分譲地は「土地の販売方法」を表しているのに対して、造成地は「土地そのものの状態」を表す点に違いがあります。
また「建築条件付き土地(分譲地)」と記載されている場合には、マイホームの建築を依頼する建築会社や建築期間などの条件が設けられています。「自分たちで建築会社を選びたい」という方には、注意が必要です。
造成地を購入する際に確認しておくポイント
土地が整備された造成地を購入するにあたって、いくつか注意点があります。家づくりで後悔をしないために、以下のポイントを確認しておきましょう。
確認ポイント①造成前の土地の状態
造成前の土地がどのような状態だったか、地歴や地質について調べておくと安心です。
沼地や水田などの土地を造成している場合には、地盤が弱い可能性があります。土地を購入したあとに地盤補強工事が必要となり、追加費用が発生するケースも見られます。
地歴や地質を確認できるWebサイトには、以下が挙げられます。
▼地歴や地質を確認できるWebサイト
Webサイト | URL |
---|---|
国土地理院 | 地図・空中写真・地理調査 |
国土交通省 | 全国の大規模盛土造成地の分布 |
国土交通省 | ハザードマップポータルサイト |
国土交通省のハザードマップでは、土地の特徴・成り立ちのほか、その地域で自然災害が発生した際の「液状化の発生傾向やリスク」を確認できます。液状化は、埋め立て地や沼や池があった土地などで起こりやすいとされています。
確認ポイント②インフラの整備状況
宅地として造成された土地の場合、インフラ整備が行われているケースが多いですが、土地の購入後に別途引き込みが必要になるケースもあります。電気・ガス・上下水道を新たに引き込む場合には、ある程度の費用が必要になります。
配管や電線を引き込む距離、道路の状態などによっては工事費用が高額になる可能性もあるため、工事費用の見積もりを取っておくことが大切です。
分譲地として販売されている土地の場合、基本的にはすでに住宅を建てるためにインフラ整備が完了しているため、このような追加費用の心配がなくなります。
確認ポイント③造成工事の方法
土地を造成するにあたって、どのような工事が行われたのか確認しておくことが重要です。主な造成工事の方法には、主に「切り土」と「盛り土」の2種類があります。
▼造成工事の方法
造成工事 | 工事の内容 |
---|---|
切り土 | 山地や丘、斜面の土地を削って地面を平坦にする |
盛り土 | 土地に土を盛って高さを出す、傾斜地であれば土を盛って平坦にする |
切り土の場合、元の地盤をそのまま利用するため、土地自体の強度や安定性が維持されやすいことが特徴です。一方の盛り土では、新しい土を投入して地面を造成するため、造成直後は落ち着くまでに時間がかかることがあります。地盤沈下や地すべり、液状化などの可能性にも注意したいところです。
盛り土の工事が行われた造成地は、地盤が安定化するまでに年数がかかるため、購入前には地盤調査の結果を確認しておくことが重要です。
確認ポイント④宅地造成や盛り土の規制区域に該当するか否か
自然災害時の安全を確保するために、『宅地造成及び特定盛土等規制法』に基づいて、地盤改良や盛土などの宅地造成工事に一定基準での規制が設けられている区域があります。
規制区域は、「宅地造成等工事規制区域」と「特定盛土等規制区域」の2つです。
▼宅地造成や盛り土の規制区域
画像引用元:国土交通省『危険な 盛土等を規制する取り組みが始まります』
土地の用途にかかわらず、がけ崩れ・土砂災害のリスクがある土地や市街地などに指定されており、区域内で宅地造成を行う場合には都道府県の知事による許可が必要になります。
宅地造成工事規制区域に該当する造成地は工事の内容によっては、都道府県や市の許可が必要となります。購入する際は、技術基準に適合した工事が行われていることを証明する「検査済証」を確認しておくことが欠かせません。
出典:国土交通省『「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」)について』『危険な盛土等を規制する取り組みが始まります』
確認ポイント⑤二次造成の必要性
造成地として販売されている土地の中には、元々家が建っていた土地を更地にし、再度売りに出されていることもあります。そのような土地で家を建てようと思った場合、造成された時期や状態によっては現行の法規制に則って再度造成をしなければならない場合があります。また、盛土や擁壁の状態によっては二次造成が必要になり、思わぬ追加費用が発生することもあります。
例えば、以下のような状態が挙げられます。
▼注意が必要な盛り土の状態
出典:国土交通省『「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称「盛土規制法」)について』『危険な盛土等を規制する取り組みが始まります』
造成地のなかでも分譲地を選ぶメリット
造成地のなかでも宅地用として販売されている分譲地を選ぶことで、工事費用や住環境の面においてさまざまなメリットがあります。
▼主なメリット
- インフラが整備されている
- 土地の境界が明確になっている
- 街の住環境が整っている など
分譲地は、あらかじめ住宅を建てるためのインフラが整備されているため、購入後に引き込み工事の追加費用が発生する心配がなく、建築期間を予定通りに進行しやすくなります。
また、隣接する土地との境界が明確になっているため、境界線をめぐるトラブルを避けられます。広い土地を造成して複数の区画が並ぶ分譲エリアでは、統一感のある街並みや周辺施設の整備が行われている場所もあり、利便性のある住環境と景観が確保されています。
土地選び不安があるなら「分譲地」の選択肢も◎
造成地は、造成前の土地の状態や造成工事の内容によって地盤の強度や液状化のリスクが異なるほか、購入後にインフラの引き込み工事や二次造成が必要になる場合もあります。安心して家づくりを進めるには、宅地用に販売されている分譲地を選ぶことも一つの方法です。
分譲地の販売形式には、大きく3つの種類があります。
▼分譲地の種類
種類 | 概要 |
---|---|
分譲宅地 | 土地のみが販売されており、建築会社を自由に選択できる |
分譲住宅(建売住宅) | 土地と建物がセットで販売され、建築済みの完成した住宅を購入してすぐに住むことができる |
建築条件付き土地 | 土地の購入後に指定された建築会社で住宅を建てることを条件とした土地 |
マルマインハウスの分譲プロジェクトでは、宅地造成から住宅の建築まで一貫した家づくりを実現する「建築条件付き土地」を販売しています。土地が持つ特性を活かしてランドプランの作成から造成工事まで対応しており、安心で豊かな住環境を叶えます。
外観・外構には一定の決まりがありますが、間取りや設備、内装デザインなどは注文住宅と同じように自由にお選びいただけることが魅力です。また、自社の土木部門で宅地造成を行っているため、地盤調査や地盤改良工事の費用が別途発生することはありません。
詳しくは、こちらをご確認ください。
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2025.10.02
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