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土地選びのポイント土地の購入前にチェックしよう!建築制限の内容とよくある失敗ケース

注文住宅を建てる際には、土地探しから始めることが一般的です。土地の購入時に気をつけておきたいのが「建築制限」です。

理想的な土地に出会っても、さまざまな建築制限によって「家を建てられない」「希望の間取りが実現できない」といったトラブルが起こることがあります。

そのような事態を避けるためにも、土地の購入でよくある失敗ケースや、建築制限の内容について知っておくことが大切です。

今回は、建築制限に関するトラブル例や土地の購入前にチェックしておくポイントについてご紹介します。これから土地探しを始める方は、ぜひ参考にしてください。

土地の建築制限とは

建築制限とは、土地に建物を建築するにあたって定められた規制のことです。

建築基準法や都市計画法、自治体の条例などによって土地ごとに規制が設けられており、建物の広さや間取りなどに一定の制限が生じます。

建築制限が設けられている主な目的には、以下が挙げられます。

  • 街並みや景観との調和を保つため
  • 日当たりや通風を確保して良質な住環境をつくるため
  • 地震や火災などの災害から住民を守るため

土地の建築制限によって理想の住宅が建てられないことがあるため、土地の情報については十分に調べておく必要があります。

建築制限に関するトラブルの例

建築制限を確認せずに購入すると、次のようなトラブルが発生する可能性があります。

▼土地に関するトラブル例

  • 敷地面積に対して建てられる家の広さが小さくなり、理想の間取りが入らない
  • 希望した方角や位置に大きな窓や居室が取れないなど、間取りに制約が生れる
  • 接道義務を満たしていなかったため、再建築ができなかった など

自分の土地であっても「自由に住宅を建ててもよい」というわけではありません。例えば、土地が属する地域区分や道路など周囲の環境によって、建物の広さや高さに上限が設けられています。

広さを重視して土地を購入しても、建築制限によって「思ったよりも狭い家になった」「希望の間取りがつくれなかった」といったケースもあります。

そのほか、後述する斜線制限によっては、建物の高さや形を調整しなければならず、「希望する方角や位置に大きな窓や居室を取れなかった」、また敷地と接する道路が必要な条件を満たしておらず「現在建っている家を解体してしまうと新しく家を建てられなくなってしまう」といったトラブルも見られます。

【建築制限の主な種類】土地の購入前にチェックすること

土地選びの失敗やトラブルを防ぐには、敷地面積や周辺環境だけでなく、「その土地にどのような建築制限があるのか」「理想の間取りを実現できるのか」を確認してから購入することが大切です。

建築制限に関する内容は、土地が属する地域のホームページや不動産会社が提供される資料などで確認することが可能です。

建築制限で特にチェックしておきたいポイントは、以下のとおりです。

①用途制限

用途制限とは、都市計画法に基づいて土地の使い道を定めた「用途地域」による制限です。

土地の用途に応じて3種類に分類されており、全13地域の区分があります。どの区分に該当するかによって「その土地に建てられる建物の種類」が変わります。

▼用途地域の分類

分類 概要
住居系
  • 人が暮らすための住環境が優先されている地域
  • 商業施設や工場の建築が制限される
商業系
  • 商業の利便性を確保するための地域
  • 住宅のほかにも大規模な商業施設やオフィスビル、学校、病院などを建築できる
工業系
  • 工場の利便性を確保するための地域
  • 住宅を建てられない地域(工業専用地域)がある

住居系・商業系の地域や工業系の一部地域では、住宅を建てることが可能です。ただし、地域の景観や住環境が異なるため、「将来的に周辺でどんな建物が立つか」も踏まえて検討する必要があります。

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出典:奈良市『用途地域 – 奈良市ホームページ(都市計画課)』大阪市『建物の用途の制限について – 用途地域』/国土交通省『用途地域

②建ぺい率・容積率

用途地域と併せて確認しておきたいのが「建ぺい率」と「容積率」です。

「建ぺい率」は、土地の敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの面性)の割合を表します。

「容積率」は、土地の敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合を表します。延べ床面積は、建物の床面積(2階や3階も含む)を合計した面積のことです。

用途地域によって建ぺい率と容積率の上限が定められており、その土地に建てられる住居の広さや階数が左右されるため、事前に確認しておくことが欠かせません。

▼用途地域別の建ぺい率・容積率

分類 用途地域 建ぺい率 容積率
住居系 第一種低層住居専用地域 30・40・50・60 50・60・80・100・150・200
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域 30・40・50・60 100・150・200・300・400・500
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域 50・60・80 100・150・200・300・400・500
第二種住居地域
田園住居地域 30・40・50・60 50・60・80・100・150・200
準住居地域 50・60・80 100・150・200・300・400・500
商業系 近隣商業地域 60・80 100・150・200・300・400・500
商業地域 80 200・300・400・500・600・700・800・900・1000・1100・1200・1300
工業系 準工業地域 50・60・80 100・150・200・300・400・500
工業地域 50・60 100・150・200・300・400
工業専用地域 30・40・50・60 100・150・200・300・400

街の景観や住環境が重視される住居系の用途地域では、建ぺい率と容積率が低めに設定されています。一方、商業・工業系の用途地域では割合が高くなります。

なお、建ぺい率については角地や防火地域で緩和措置が適用される場合もあります。

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土地選びで知っておきたい「建ぺい率」「容積率」とは?基本知識と計算方法まで「角地緩和」とは?家を建てる際に知っておきたい条件と角地を選ぶメリット

出典:奈良県『容積率等指定/奈良県公式ホームページ』/内閣府『容積率規制等について

③接道義務

建築基準法において、建物の敷地は「原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」と定められています。災害時や救急時に車両がスムーズに出入りできるようにするために、一定の道路幅を確保する必要があります。

▼建築基準法第43条第1項

(敷地等と道路との関係) 第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。

引用:e-Gov法令検索『建築基準法第43条第1項

敷地の前面道路の幅が4mに満たない場合には、道路の中心線から2m下がる「セットバック(道路後退)」が必要になり、実際に使える敷地面積が削られます。

また、道路の奥まった場所に位置する旗竿地などで、道路に接する路地の幅が2mに満たない場合も接道条件を満たしていないことになり、建物を建てることができません。

※例外や条例によって接道義務の規定が緩和されるケースもあります。

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出典:国土交通省『接道規制のあり方について』/大阪市『1、敷地と道路との関係について』/奈良県『接道規制の適用除外について(建築基準法第43条第2項)/奈良県公式ホームページ』/e-Gov法令検索『建築基準法第43条第1項

④高さ制限

高さ制限は、建物全体の高さの上限を定めるものです。主に街づくりの一環として景観を確保することや、近隣の建物への日照・通風を確保することが目的とされています。

高さ制限といっても一律で規定されるのではなく、その土地の用途地域によって上限が異なります。一戸建て住宅を建てるときに影響する高さ制限には、以下が挙げられます。

▼高さ制限の種類

分類 概要
絶対高さ制限 第一種・二種低層住居専用地域と田園住居地域において、建物の高さが10m以内または12m以内に制限される
道路斜線制限

道路に面する建物部分の高さを、前面道路の反対側の境界線から一定の勾配で斜線を引いた範囲内に収める

▼勾配

  • 住居系地域→ 1:1.25
  • 商業系・工業系地域→ 1:1.5
隣地斜線制限

隣地に面する建物の高さを、隣地との境界線の地盤面から指定の高さを起点に、一定の勾配で斜線を引いた範囲内に収める

▼起点の高さ

  • 住居系地域 → 20m
  • 商業系・工業系地域 → 31m

▼勾配

  • 住居系地域 → 1:1.25
  • 商業系・工業系地域 → 1:2.5
北側斜線制限

北側に面する建物の高さを、「真北の隣地境界線」または「真北の前面道路の反対側の道路境界線」の地盤面から指定の高さを起点に、一定の勾配で斜線を引いた範囲内に収める

▼起点の高さ

  • 5m:第1種・第2種低層住居専用地域や田園住居地域
  • 10m:第1種・第2種中高層住居専用地域

▼勾配

1:1.25

これら高さ制限によって、天井・屋根の形状が一部斜めになったり、2階部分が狭くなったりすることがあります。間取りや建物の外観にも影響するため、設計上の制約を確認しておくことが重要です。

出典:奈良県『建築基準法に基づく建築物の高さ等の制限について/奈良県公式ホームページ』/奈良市『日影規制、高さ制限等について – 奈良市ホームページ(建築指導課)』大阪市『建物の高さの制限について

⑤壁面後退

壁面後退とは、建物の外壁や柱を、あらかじめ定められた基準線(壁面線)より外側に出して建てることができないという制限です。敷地の道路側や隣地側から、一定の距離だけ壁面を後退させて建物を配置する必要があり、後退距離は地域ごとに異なりますが、1m1.5m程度とされているケースが多く見られます。

このルールは、敷地と道路の間にゆとりを持たせることで、安全性や街並みの景観を守り、周囲の環境との調和を図るために設けられています。

壁面後退が住宅設計に与える影響

  • 建物の配置が敷地の中心側に寄り、庭や駐車スペースの計画が変わることがある
  • 玄関位置や外観デザインについて、プランの調整が必要になる場合がある
  • 窓や扉の位置など、細かな設計に制限が出ることがある 

壁面後退が定められている土地では、敷地面積に余裕があっても、思い描いた建物配置ができないことがあります。土地購入前に、該当する制限があるかどうかを確認しておくことが大切です。

⑥日影規制

日影規制とは、冬至の日を基準として中高層建築物によって生じる日影を一定時間の範囲内に収めることを規制するものです。

隣地にある建物への日照を確保することが目的となります。冬至の日を基準とするのは、その日が1年の中でもっとも影が長くなる(太陽の位置が低くなる)ためです。

日影規制は、一定の高さがある建物が対象となるため、一戸建て住宅では対象外となることも多くあります。ただし、「低層住居専用地域」で住宅を建てる場合には、日影規制の内容が厳しくなるため、注意が必要です。

▼低層住居専用地域での日影規制

用途地域 第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
制限を受ける建物 軒の高さ7mを超える建物、または地階を除く階数が3階建ての建物
平均地盤面からの高さ 1.5m
日影時間 敷地境界線から水平距離が5m以上、10m以内の範囲 3時間/4時間/5時間
敷地境界線から水平距離が10mを超える範囲 2時間/2.5時間/3時間

その土地に適用される規制日影時間は、自治体の条例によって決定されます。

出典:奈良県『建築基準法に基づく建築物の高さ等の制限について/奈良県公式ホームページ』/奈良市『日影規制、高さ制限等について – 奈良市ホームページ(建築指導課)』大阪市『建物の高さの制限について

その他にも、風致や地区計画など、地域によっては屋根の形状や建物の色、植栽に関することなど細かな規制があるため、注意が必要です。

土地選びの相談もお任せください

土地の建築制限によって、実現できる住宅の設計プランが大きく変わります。

面積や価格帯が同じような土地でも、該当する用途地域や道路条件などによって設計上の制約が異なるため、購入を決める前によく確認しておくことが重要です。

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